クコの実   【枸杞の実】

果実

クコの実    【枸杞の実】


【効き目】
ストレス、めまい、耳鳴り、不眠、視力低下、眼精疲労、ドライアイ、白髪など

中国では古くから体を養い副作用の少ない「上品薬」として利用されてきました。気・血を補って肝と腎を滋養します。目の働きを助け、視力低下や眼精疲労、涙目、ドライアイなどに効果的です。腰のだるさ、白髪、めまい、不眠の改善にも有効です。ビタミン、ミネラルが豊富。成分のクコの実エキスには、ビタミンCの6倍の抗酸化力があるとされます。クコとは、ナス科クコ属に属する落葉低木植物です。樹高は0.5~1.5mで、枝にはところどころトゲがあります。6月~7月と9月の2回に渡り直径1cm程の薄紫色の花を咲かせます。秋になると先のとがった楕円形の真っ赤な果実を実らせます。クコは海岸や河原、空き地などの周りに高い木が生えず、ある程度湿り気のある水地や砂地でよく育ちます。虫による食害を受けても耐え抜く強い生命力を持っており、樹齢は最高100年といわれています。栽培が簡単で肥料も必要としないため、家庭の庭などで栽培されていることもあります。クコの原産地は中国などの東アジアです。

クコの名前の由来
クコは漢字で「枸杞」と表記されます。枸橘(からたち)のようにトゲがあり、杞(ヤナギ) のように枝がしなやかなため中国で枸杞と名づけられました。
また、クコの根が骨のような形をしているため、根皮は生薬名で地骨子(ジコツヒ)と呼ばれるようになったといわれています。

クコの歴史
中国では3000~4000年もの昔からクコの果実や葉、根皮が漢方薬や民間薬として親しまれてきました。日本には平安時代に伝えられたといわれ、文徳天皇はクコを栽培するための庭園を持っていたとされています。健康志向が高く食べ物に気を遣っていた江戸時代の将軍である徳川家康は、クコの愛用者としても有名です。現在でもクコは、中国医学において最も多く利用されている植物のひとつです。

クコの利用
日本ではクコを漢方薬としてよく利用します。乾燥させた果実・根皮・葉は、それぞれ枸杞子(クコシ)・地骨皮(ジコツヒ)・枸杞葉(クコヨウ)と呼ばれ生薬として利用されています。枸杞子は肝臓に脂肪が蓄積することを防いだり、ホルモン分泌を盛んにするとされ、中国では薬膳料理にも用いられています。地骨皮は血圧や血糖値を下げたり、解熱作用があるといわれています。中国では薬用だけでなく普段の食事にもよく取り入れられています。クコの果実は甘みがあるため、生のまま食べたり、ドライフルーツやスープ、お粥、お茶、お酒、デザートなどに用いたりと食べ方は様々です。

クコに含まれる成分と性質
クコには、ルチンやタンニンなどのポリフェノール、ビタミンC、色素成分であるゼアキサンチンが豊富に含まれており、これらの成分は強い抗酸化作用を持っています。抗酸化作用とは、紫外線や喫煙、ストレスなど生活の様々な場面で発生する活性酸素を除去し、体が酸化することを防ぐ働きのことです。例えば、クギを放置し空気中にさらしておくとクギがサビついてしまいます。この現象が酸化であり、人間の体内で起こると、病気や老化、肌トラブルの原因となってしまいます。クコに含まれるこれらの成分が体内で強い抗酸化作用を発揮して酸化から体を守ることで、病気や老化、肌トラブルが予防されます。他にもクコには、ベタインやβ-シトステロール、ビタミンB₁、ビタミンB、リノレン酸、ミネラル類なども豊富に含まれています。また、クコに豊富に含まれるビタミンCは、丈夫な血管や筋肉、骨、肌などをつくるコラーゲンの合成に必要不可欠な成分です。コラーゲンはたんぱく質の一種で体内のたんぱく質の約30%を占めており、体の組織や細胞をしっかりと結びつける接着剤のような働きをします。さらに、ルチンにはビタミンCの吸収率を高める働きがあります。コラーゲンの合成がサポートされることで壊血病の予防や骨の強化につながります。

クコの効果


胃の健康を保つ効果

ベタインはアミノ酸の化合物で、胃液の酸度を調整し、胃の負担を減らしています。

肝機能を高める効果
クコに豊富に含まれているベタインには、肝臓への脂肪の蓄積を防ぐ働きがあり、脂肪肝の予防や肝機能の向上に効果があります。

ダイエット効果
クコには、ベタインやビタミンB₂が豊富に含まれています。
ベタインは肝臓に脂肪が蓄積することを防ぐ働きがあります。さらに、クコに含まれるビタミンB₂には脂質や糖質を効率よくエネルギーに変え脂肪の燃焼をサポートする働きがあるため、ダイエットに効果的です。

生活習慣病の予防・改善効果
血液中の悪玉(LDL)コレステロールが増加すると、血管の内壁が脂質で分厚くなり、こぶのようにせり出して血管を狭めるため、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病が引き起こされます。クコに豊富に含まれるビタミンCには、血中の悪(LDL)コレステロールを減少させ血液をきれいにする働きがあります。さらに、クコに含まれているβ-シトステロールには、血中のコレステロールを減少させる働きがあります。食事から摂取したコレステロールは、胆汁酸と結合して腸で吸収されます。β-シトステロールはコレステロールとよく似た構造を持っており、先に胆汁酸と結合することで腸でのコレステロールの吸収を抑え、血中のコレステロールを減少させます。また、ルチンには血管を強化し血流をスムーズにする働きや血圧を下げる働きがあります。そのため、クコには高血圧や動脈硬化を予防、改善する効果が期待できます。

血流を改善する効果
クコに豊富に含まれるルチン、ヘスペリジンなどのフラボノイドには、血管を強化し血流をスムーズにする働きがあるため、血行不良から引き起こされる冷え性や肩こり、腰痛の改善に効果が期待できます。

感染症を予防・改善する効果
クコにはビタミンCが豊富に含まれています。
ビタミンCは、血液中の白血球、特に好中球を活性化し、体外から侵入してきた細菌やウイルスなどを撃退します。ビタミンCは白血球の働きを高め、ビタミンC自体も細菌やウイルスと闘う力を持っています。さらに、ルチンはビタミンCの吸収率を高めるため、クコを積極的に摂取することは免疫力を高め、風邪などの感染症を予防したり、病気の回復を早める効果があります。

ストレスをやわらげる効果
クコに豊富に含まれるビタミンCには、心地良さなどの感情をつくり出すドーパミンや気持ちを落ち着かせるGABAなどの神経伝達物質と、ストレスを和らげる副腎皮質ホルモンの合成をサポートする働きがあります。ビタミンCが含まれるクコには、ストレスに対する抵抗力を高めたり、イライラを鎮める効果があります。

美肌・美白効果
クコに豊富に含まれるビタミンCやタンニンには、シミ・そばかすを予防し、ハリのある若々しい肌を保つ効果があります。シミ・そばかすの原因となるメラニン色素は、アミノ酸の一種であるチロシンから生成されます。ビタミンCにはチロシンからメラニンをつくり出す、チロシナーゼという酵素の働きを抑制し、メラニン色素の沈着を防ぐ働きも期待できます。

下痢を予防する効果
クコの葉に含まれるタンニンが持つ抗菌効果によって腸内の悪玉菌が減少し、悪玉菌による大腸の炎症によって起こる下痢の予防に効果的です。

疲労回復効果
クコには糖質の代謝に必要不可欠なビタミンB₁が豊富に含まれています。
体内で糖質の代謝が正常に行われないと、疲労物質である乳酸が蓄積し疲れを感じます。ビタミンB₁には、体内で糖質を効率よくエネルギーに変えるサポートをする働きがあるため、乳酸の蓄積を抑制し疲れを防いだり、疲労回復を早める効果があります。

眼病を予防する効果
クコにはゼアキサンチンが豊富に含まれています。ゼアキサンチンはヒトの目の網膜に存在し、紫外線などが原因で目が酸化することを防ぐ働きがあります。そのため、視力低下や白内障、緑内障などの予防に効果的です。また、ゼアキサンチンには目の網膜を保護する働きもあるため、加齢に伴う目の病気を防ぐ効果もあります。

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※参考文献一覧
薬膳と漢方の食材小事典
2019、日本文芸社 p123
わかさの秘密
https://himitsu.wakasa.jp/contents/kuko/

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