ハトムギ 【鳩麦】(イネ科・ジュズダマ科)

薬草・野草

ハトムギ      【鳩麦】   (イネ科・ジュズダマ科) 和名    ヨクイニン(生薬)

【効き目】
イボとり、神経痛、リウマチ、糖尿病の改善、美肌、むくみ、高血圧、抗アレルギーなど

ハトムギは数珠玉に似ています。雑草のように強く育ち、収穫量の非常に多い穀物です。古くから中国や日本では日常として手軽に利用されてきた食品です。昔からイボとりの妙薬としても知られ、ハトムギ粉に少しお湯を加え丸めてイボに貼っておけば、一週間ほどで取れます。イボは上皮細胞が増殖したもので、ガン腫と同類だともいう。体質が悪化すると、ただのイボがガン腫に増殖しやすくなります。だから、イボにいいならガンにも有効なのは不思議なことではないでしょう。実際に、胃ガンや子宮ガンなどに効果があると言われ、ハトムギの制ガン作用は注目されています。ハトムギには特有の粘りがあります。粉を水で練って焼くと、餅のようにふくれます。成分的にはタンパク質や不飽和脂肪酸(リノール酸、リノレン酸)が多く脂肪代謝を正常にする作用がある。ミネラルや酵素などの有効微量成分が多く含まれ、総合的に働きます。こうした有効微量成分が多く含まれているので、人類最古の穀物と言われています。むくみをとり、神経痛、リウマチ、糖尿病、脚気にも有効。健胃効果も大です。皮膚や粘膜など、体の外側の組織を活気づける特徴をもっているので、肌のきめをを細かくし、色黒、サメ肌も治す美容効果も大きい。こういうと「それっ」とばかりに皆ハトムギに飛びつくでしょう。でも、三日坊主でなく気長に続けることが大事で、一度にどっさりとって食べ過ぎると逆効果です。少量ずつ毎日続けるからこそ効果があるのです。

ハトムギの歴史
ハトムギの栽培は、インド北東部のアッサム地方からミャンマー付近にかけて始まったといわれています。インダス文明期の詩節「リグ・ヴェーダ」の中に、ハトムギの記載があることから、紀元前1500年頃には、すでにインドでハトムギの栽培が広まっていたのではないかと考えられています。中国へ伝わったのはそれから1500年後、後漢時代の名将である馬援が持ち帰ったといわれています。6世紀の書物には、中国ではハトムギを米のように炊いて食べたり、粉状にして団子のように食されていたことが記されています。滋養強壮に効果があるとして重宝されたハトムギは、「ヨクイニン」の名前で約2000年前に記された司馬遷の「史記」にも記述があります。また、中国の古書「神農本草経」には、「久しく服すれば、補虚、益気、軽身などの効果がある」という記述が残っています。日本に伝わったのは江戸時代で、学者・貝原益軒は病気の後や出産後の体力回復にハトムギを処方していたといわれています。
ハトムギは薬用植物として栽培されており、『民間薬用植物誌』には、①根を煎じて通経剤とする、②身を煎じて利尿・健胃剤とする、③脾臓を丈夫にし、胃を強くし、食欲を増進する、④脚気にもよく効く、⑤のどがはれて痛む時には粉を吹き込むとよい、などの効用が記されています。明治時代以前までは1反歩(約1000平方メートル)で、4石(約180ℓ)もの収穫があったことから、四石麦(しこくむぎ)とも呼ばれ、飢饉の時には非常用食糧として活用されていました。1884年頃になると、当時の厚生省がハトムギを保健食として推奨し、近年ではハトムギの様々な健康効果に注目が集まっています。

ハトムギの摂取方法
ハトムギは、殻を取り除いて煎じたハトムギ茶として一般的に利用されていますが、最近では、手軽に飲めるティーバッグ入りのものもあります。ハトムギの摂取量は、1日当たりを約15g~30gを目安に煎じたものを、1日3回に分けて飲むと良いといわれています。また、ハトムギの種を砕いて糖化した「ハトムギ糖」という甘味料もあり、甘味料でありながらハトムギの栄養成分を、ほぼそのまま摂取できるため、砂糖より栄養価が高くなります。最近では、ハトムギをご飯に混ぜて炊いたり、お菓子の材料に用いるなど、日常生活の様々な場面で活用されています。ただし、胎児や乳児に影響を与える可能性があるため、妊婦および授乳中は摂取を控える必要があります。

ハトムギの働き
ハトムギは、良質なアミノ酸を多く含み、新陳代謝を活発にする働きを持ちます。新陳代謝とは、細胞の生まれ変わりのことです。ハトムギは、肌の古い角質を取り除き、新しい肌細胞を生み出すため美肌に効果的です。そのほかにも、ハトムギには胃を丈夫にしたり、免疫力を高める効果があります。ハトムギの種子であるヨクイニンは、体の熱を取り除く時には炒らずに用いられ、下痢を止める時には炒ったものが用いられます。さらに、リウマチや神経痛などの鎮痛にも用いられ、最近では日焼けやシミ、そばかすなどの改善効果も期待されています。

ハトムギの効果

デトックス効果
余分な水分や便秘は、老廃物を蓄積させ血液の循環を滞らせるため、むくみや冷え、肩こりや疲れを引き起こします。ハトムギには、大腸まで届いて便の量を増やす食物繊維が豊富に含まれています。また、ハトムギには、尿の排出を促進する効果があり、むくみ、脚気(かっけ)、腎臓、膀胱結石 などの改善も期待できます。
ハトムギには、余分な水分や便の排出を促進し、毒素を排出するデトックス効果があります。

美肌効果
ハトムギを煎じたお茶は、古くから美肌に良いお茶として知られており、ニキビなどの肌トラブルを改善したり、肌荒れを抑制し、滑らかな肌に導く効果が期待されています。ハトムギに含まれるコイクセラノイドには、肌の角質代謝を高める働きがあるといわれています。また、ハトムギに含まれているたんぱく質は良質なアミノ酸で出来ており、新陳代謝を促進する働きがあるため、肌の細胞の生まれ変わりを促進します。さらに、体内の老廃物を排出する効果を持つため、ニキビやシミ、そばかすを抑制し、内側から肌の美しさに働きかけます。

生活習慣病の予防・改善効果

ハトムギには、脂肪の代謝を促進する成分として9-ヒドロキシ-オクタデカン酸が含まれており、肥満を抑制するはたらきを持ちます。また細胞へのグルコースの取り込みを促進することにより、糖尿病を予防するはたらきも報告されており、生活習慣病予防の素材として注目されています。

アレルギーを抑制する効果
ハトムギには、アレルギーを引き起こす物質ヒスタミンを抑制するはたらきが報告されており、花粉症予防に役立つと考えています。また炎症物質TNF-αを抑制するはたらきを持つため、アレルギー予防効果も期待されています。

胃の健康を保つ効果
ハトムギには、胃の健康を保つ効果があります。
水分を補給すると、一度胃に溜められて、胃から少しずつ十二指腸、小腸、大腸へと送られて吸収されます。水分を補給しすぎると、胃の中に大量に溜まってしまいます。すると、過剰な水が胃に負担をかけて、胃液を薄めることで消化不良を引き起こします。ハトムギは体内の余分な水分を排出するため、胃の健康を保つ効果があります。

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※参考文献一覧
東城百合子、野草と野菜、三笠書房、2019、p128〜p129
わかさの秘密
https://himitsu.wakasa.jp/contents/hatomugi/

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