かぶ       【蕪】  (アブラナ科)

野菜・その他

かぶ       【蕪】  (アブラナ科)


【効き目】
消化不良、便秘、痰、イライラ、のぼせ、むくみなど

胃と脾に働き、消化不良や便秘の改善にも効果的。水分代謝を促進して、むくみを改善するほか、水滞が原因で起こる痰や鼻水にも有効です。気が体の上の方にのぼってしまうことで起こる、血圧上昇やのぼせ、イライラなども改善。根には、消化を促進するアミラーゼが含まれます。栄養価は葉のほうが高く、β-カロテンは根の2800倍、ビタミンKは340倍含まれます。かぶは、アブラナ科アブラナ属の代表的な根菜類のひとつです。1年中出回っていますが、主に春と秋に旬を迎えます。かぶは、すずなとも呼ばれ「春の七草」のひとつに数えられています。「かぶな」「すずな」が冬の季語として古くから親しまれています。また、ロシアの民話である「大きなかぶ」は、様々な国と地域で親しまれています。原産地は、アフガニスタン周辺から南ヨーロッパ近辺とされています。

かぶの品種
かぶは、全国各地で品種改良されてきたため、各地の地方色が強い野菜として知られています。全国に約80種の品種があり、関ヶ原(岐阜県)を境に西日本と東日本で系統の違うかぶが栽培されています。これは中国を経て渡来したアジア型(白かぶ)は西日本に、そして朝鮮半島を経て伝わってきたヨ-ロッパ型(赤かぶ)は東日本に定着したためです。アジア型とヨ-ロッパ型の境界線は、愛知県・岐阜県・福井県を結ぶあたりです。
以下は代表的なかぶの種類です。

小かぶ
朝鮮半島経由で渡来し、東日本に根付いたとされる寒さに強い種類です。最も品種改良が進み、きめ細かな真っ白な果肉と繊細な甘みから「野菜の芸術品」ともいわれています。現在、全国で生産されている小かぶは、東京金町の特産である「金町小かぶ(かなまちこかぶ)」が品種改良されたものです。

赤かぶ
外皮は紫紅色で中は白色のかぶです。岐阜県の「飛騨紅かぶ」や島根県の「津田かぶ」などが代表的な品種です。やや硬いため、漬物に利用されることが多くあります。酢漬けにすると全体が淡いピンク色に染まります。
・聖護院かぶ(しょうごいんかぶ)
京都の名物である「千枚漬け」の材料として用いられる、日本最大の大型のかぶです。大きいものでは重さが5kgにもなります。甘みがあるので、すりおろして「かぶら蒸し」などに利用されます。

かぶの歴史
かぶはもともと野生あぶら菜の一変種であり、紀元前からヨーロッパで栽培されていました。中国へは約2000年前に伝えられたといわれていますが、現在ではあまり栽培されていません。日本へは弥生時代に中国、または朝鮮半島から伝えられたと考えられています。東北地方では、かぶが古くから重要な根菜として冬から春にかけての保存食とされていました。江戸時代以降、全国各地に数多くの品種が誕生していき、現在、日本は世界的に見て最もかぶの栽培が盛んな国のひとつとされています。

かぶの調理法・保存方法
かぶは、あくが少ないため下茹での必要がありません。外側は筋が多いため、煮物にする場合は皮を厚めにむくことがポイントです。かぶは、葉つきのまま保存すると水分が蒸発してしまうため、葉と根は切り離して保存します。葉と根は別々に冷蔵保存し、根は1週間、葉は1~2日で食べきるようにします。

かぶに含まれる成分と性質
かぶにはビタミンCやカリウム、食物繊維、でんぷんを分解する消化酵素であるアミラーゼが豊富に含まれています。かぶの94%は水分で、栄養価は大根とほぼ同じです。かぶの葉も栄養価が高く、ビタミンB₂やビタミンC、葉酸、β-カロテン、カルシウム、鉄、食物繊維が豊富に含まれています。β-カロテンは、体内で必要な量だけビタミンAに変換され、ビタミンAとして働きます。ビタミンAは脂溶性のビタミンであるため、その性質上、過剰摂取に注意が必要な成分とされていますが、β-カロテンは体内で必要な量しかビタミンAに変換されないため、過剰摂取の心配がありません。かぶに含まれるビタミンCやβ-カロテンは、強い抗酸化力を持つことで有名です。抗酸化力とは、紫外線や喫煙、ストレスなど生活の様々な場面で発生する活性酸素を除去し、体が酸化することを防ぐ働きのことです。人間の体内に活性酸素が過剰に発生し酸化が起こると、病気や老化、肌トラブルが引き起こされます。かぶに含まれる抗酸化物質が体内で強い抗酸化力を発揮して酸化から体を守ることで、病気や老化、肌トラブルを予防することができます。かぶの葉に含まれる葉酸は「造血のビタミン」とも呼ばれ、造血や細胞の生まれ変わりに関わり、胎児の発育に必要不可欠な成分であると考えられています。胎児が発育する妊娠中の女性や、乳幼児期、成長期の子どもに特に必要な栄養素とされ、厚生労働省によって妊娠中は妊娠していない時の2倍近い量の葉酸の摂取が推奨されています。

かぶの効果

かぶには、ビタミンCやカリウム、鉄、葉酸、食物繊維、消化酵素であるアミラーゼなどが豊富に含まれており、以下のような健康に対する効果が期待されています。

胃腸を健康に保つ効果
かぶに含まれているアミラーゼには、でんぷんを分解し、胃腸の消化を高める働きがあります。アミラーゼが消化を助け胃酸をコントロールすることで、胃もたれや胸やけを予防する効果があります。さらに、辛み成分であるイソチオシアネートには胃液の分泌を促し、胃の健康を保つ働きがあります。昔は胃腸の調子が悪い時にかぶの根のすりおろし汁を飲んで痛みをやわらげていたといわれるように、古くからかぶには胃腸の健康を保つ効果があると知られています。

生活習慣病を予防する効果
血液中の悪玉(LDL)コレステロールが増加すると、血管の内壁が脂質で分厚くなり、こぶのようにせり出して血管を狭めるため、高血圧や動脈硬化などが引き起こされます。かぶに含まれるビタミンCやβ-カロテンには、血中の悪玉(LDL)コレステロールの酸化を減少させる働きがあります。さらに、かぶに含まれるカリウムには、血圧の上昇を抑える働きがあります。そのため、これらの成分が豊富に含まれているかぶには、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病の予防に効果があると考えられています。

感染症を予防・改善する効果
かぶにはβ-カロテンやビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCは、血液中の白血球、特に細菌やウイルスと闘う好中球に多量に含まれており、体外から侵入してきた細菌やウイルスなどを撃退する役割を担っています。ビタミンCには白血球の働きを高め、ビタミンC自体も細菌やウイルスに対抗する働きがあります。さらに、β-カロテンには粘膜を丈夫にし、免疫力をアップさせる働きがあります。そのため、かぶには免疫力を高め、風邪などの感染症を予防し、病気の回復を早める効果があるといわれています。

貧血を予防する効果
かぶの葉に豊富に含まれる鉄や葉酸は、赤血球をつくるために欠かせない成分です。赤血球は、呼吸をした際に肺に取り込まれた酸素を全身に運ぶ役割を果たしています。赤血球の量が減ると、細胞に供給される酸素が不足するため、顔が青白くなる、少し動いただけでも息切れがする、動悸が起こる、疲れやすくなる、立ちくらみがするなどの貧血症状が現れます。かぶの葉には、赤血球の主成分である鉄や、鉄と協力して赤血球を形成する働きを持つ葉酸が豊富に含まれているため、貧血の予防・改善に適していると考えられています。

むくみを予防・改善する効果
かぶに含まれるカリウムには、体内の余分な水分を排出する働きがあります。そのため、かぶには細胞間に溜まる水分が原因で起こるむくみの予防・改善に効果があるといわれています。

便秘や下痢を解消する効果
かぶには食物繊維が豊富に含まれており、腸内の善玉菌[※3]を増やし、腸の調子を整える働きがあります。また、強い粘性を持っており、腸内の有害物質を吸着させて一緒に体外に排泄する働きもあります。そのため、これらの成分が含まれるかぶには、便秘や下痢の解消に効果があると考えられています。

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※参考文献一覧
薬膳と漢方の食材小事典
2019、日本文芸社 p 29
わかさの秘密
https://himitsu.wakasa.jp/contents/kabu/

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