グリーンアスパラガス  (キジカクシ科)

野菜・その他

グリーンアスパラガス  (キジカクシ科)


【効き目】
疲労、口の渇き、のどの渇き、尿が少ない、せきなど

肺をうるおす作用があり、せきを鎮めます。体液を補って唾液の分泌を促進し、口やのどの渇きをうるおします。また、尿の出をよくして余分な水分を排出するといった作用があります。ホワイトアスパラガスの効能もほぼ同じです。多く含まれるアスパラギンは、疲労や体力の回復に効果があります。ビタミン類も豊富に含まれるほか、β-カロテン、カリウムなども含まれます。アスパラガスは、キジカクシ科クサスギカズラ属に属しており、和名で「オランダうど」「松葉うど」「オランダきじかくし」ともいわれています。アスパラガスの旬は、4月~6月の春から初夏にかけてです。アスパラガスはヨーロッパでは、春を告げる野菜として紀元前から栽培されるほど古くから人々に親しまれています。日本へは18世紀後半、江戸時代中期にオランダ人によって観賞用として伝わりました。アスパラガスが食用として流通するようになったのは、明治初期にアメリカやフランスから種子として再導入された後のことです。日本では大正12年に北海道でアスパラガスの本格的な栽培がはじまり、その2年後にはアジア最初のアスパラガス缶詰の生産が始まりました。
アスパラガスは食用として枝や葉が出る前の若い茎を使用します。アスパラガスのほろ苦いような特有の味は、100gのアスパラガスに360mgと大変豊富に含まれているアスパラギン酸によるものです。アスパラギン酸の名は、アスパラガスから発見されたことに由来しています。

アスパラガスの種類
アスパラガスには、栽培方法の違いによって、グリーンアスパラガスとホワイトアスパラガスに分けられます。グリーンアスパラガスは、発芽後も日光に当て続けて育てたもので、ホワイトアスパラガスは発芽後に土寄せをして、白く軟化させたものです。グリーンアスパラガスは、ホワイトアスパラガスに比べて栄養価が高く、香りや風味も豊かだと言われています。グリーンアスパラガスは緑黄色野菜に分類され、ビタミンとミネラル(ビタミンA、ビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンC、ビタミンE、カリウム、カルシウム、鉄など)が含まれています。一方、ホワイトアスパラガスは、ビタミンA以外の栄養素はグリーンアスパラガスと同様に含まれていますが、ビタミン類などの含有量はグリーンアスパラガスより総体的に劣ります。ホワイトアスパラガスはグリーンアスパラガスより栄養価は落ちますが、ほんのりと苦みがあり、やわらかい食感です。北イタリアはアスパラガスの名産地として知られ、ヴェネトン州のバッサーノは特別に太いホワイトアスパラガスで有名です。
日本のアスパラガスの主要生産地は、北海道、長野県、佐賀県です。以前はホワイトアスパラガスが主流でしたが、現在はグリーンアスパラガスが主流となっています。

グリーンアスパラガスの選び方
アスパラガスの穂
アスパラガスの穂は、穂先が開いておらず、穂がぎゅっと詰まっているものが鮮度が高いものです。また、アスパラガスの穂先の下の首部分が太く、ハリのあるものが新鮮といわれています。劣化するとアスパラガスの穂の部分から曲がってきます。

アスパラガスの茎
アスパラガス茎は、茎が太くて均一にまっすぐ伸びているものの方が鮮度が高く、細く曲がっているものは鮮度が低いとされています。

アスパラガスの切り口
アスパラガスの切り口は、褐変がなく乾燥していないものが新鮮なアスパラガスの証です。切り口が乾いて繊維が目立っているものは鮮度が低下している証拠です。

アスパラガスの色
アスパラガスの色は、緑色が濃く、鮮やかでつやのあるものが新鮮です。変色が見られるものは、茎が筋っぽく、味が落ちています。

アスパラガスの保存方法
アスパラガスはできるだけ立てて保存することで鮮度を保つことができます。
アスパラガスを横に置いて保存しておくと、穂先が起き上がろうとして糖やアミノ酸を消費してしまうため、アスパラガスの栄養やうまみが損なわれてしまいます。
また、アスパラガスは生のままラップに包んで冷蔵庫に入れて保存することも可能です。2~3日は保存することができますが、時間の経過とともに硬くなり、苦みが出てきて、栄養がどんどん失われていくため、新鮮なうちにさっとゆでてから冷蔵または冷凍することが良い保存方法といえます。


アスパラガスの調理方法
根元は手で折る
アスパラガスの根元は、ゆでても固くて食べられません。
手で根元を持ってしならせると、固い部分から簡単に折ることができます。あるいは、固い表皮をピーラーなどでむけば、ゆでて食べることも可能です。

根元からゆでる
アスパラガスは根元と穂先の固さが違います。固い方の根元から立てて入れ10秒ほどしてから寝かせてゆでると、均一の柔らかさにゆであがります。アスパラガスは、下ゆでをしてから利用することが多くあります。下ゆでをする場合には、塩を加えた熱湯で硬めにゆで、すぐにたっぷりの氷水で急速に冷まします。こうすることで、色や歯触りがよくなり、水に溶けやすい性質のビタミンCやルチンなどの損失も最小限に抑えられ、栄養効果を保ったまま摂取できます。また、揚げ物や炒め物などに使う場合は、下ゆでをせずに調理した方が、味わいや栄養面をほとんど損なうことなく調理することができます。グリーンアスパラガスの場合、油を使って調理することで、油に溶けやすい性質のビタミンEやビタミンAの吸収効率が上がります。

アスパラガスの効果

美肌効果
アスパラガスには、ビタミンC、ビタミンEという抗酸化力の強いビタミンを含んでいます。ビタミンCはコラーゲンの生成に欠かすことができない成分です。コラーゲンは、正常な皮膚を形成する上で必要不可欠な成分で、皮膚組織である真皮の約70%を占めています。十分なコラーゲンはお肌のキメを整え、ハリと弾力のある潤いに満ちた状態へと導くのに効果的です。コラーゲンは、ビタミンCを摂ることで、体内での生成がより一層促進されます。また、ビタミンCはしみのもとであるメラニン色素の生成を防ぐ働きや効果があるため、ビタミンCは肌のハリとしみ予防に効果的なビタミンともいえます。ビタミンEは「若返りのビタミン」といわれています。ビタミンEは、末梢血管を広げて血行を促進し、全身の血行をよくすることで細胞の生まれ変わりである新陳代謝を活発にする効果があります。新陳代謝が活発になることで、肌にハリが出てきます。さらに、紫外線に対する抵抗力も高まるため、しみやそばかすにも効果的だといえます。また、ビタミンEは細胞自体を活性酸素から守る働きも担っています。人間の体は約60兆個もの細胞で構成されています。細胞は、脂質でできた細胞膜という膜で覆われています。紫外線やストレスなどから体内に活性酸素が発生すると、活性酸素は細胞膜の脂質と反応し、体内に過酸化脂質をつくり出します。過酸化脂質とは、細胞を劣化させる物質で、老化や病気の原因となります。このため細胞膜の脂質中には、常にビタミンEが存在しており、活性酸素による過酸化脂質をつくらないように抑制し、老化や病気にならないよう細胞を守るために働いています。アスパラガスに含まれるビタミンEは、脂溶性のビタミンのため、油脂に溶ける性質を持ちます。よって、油と一緒に調理をすることで吸収の効率が上がります。さらにビタミンEは、ビタミンCと一緒に摂取することで、抗酸化力が強まります。ビタミンCは、独自に抗酸化作用を持っているだけでなく、ビタミンEの抗酸化力を高める働きもあるのです。このようにビタミンEとビタミンCは抗酸化力を高める働きを担う相性抜群の成分だといえます。

血流を改善する効果
アスパラガスの穂先には、ビタミンPともいわれるルチンという成分を含んでいます。ルチンは、ビタミンCと共に働き毛細血管を強くして、血流を改善する効果があります。毛細血管を丈夫にすることで、高血圧や動脈硬化、脳卒中の予防への効果に期待できます。

疲労回復効果
アスパラガスの穂先には、アスパラギン酸が多く含まれています。
アスパラギン酸は、アミノ酸の一種で、アスパラガスから発見されたことからこのように名づけられました。アスパラギン酸には、体のスタミナをつけて、疲労に対する抵抗力を高める作用があります。ゆえに、スタミナ強化をうたったドリンク剤に、アスパラギン酸が配合されていることがあります。またアスパラギン酸には、エネルギーや窒素の代謝を高めるミネラル(カルシウム、カリウム、マグネシウム)を全身へスムーズに運ぶ作用があります。この作用によって、疲労回復を素早く促し、体の活力を増す効果を発揮します。また、糖質や脂質をエネルギーに変える力も強いことからも、疲労回復に効果的だといわれています。

便秘改善効果
アスパラガスは、食物繊維やオリゴ糖を含んでいます。食物繊維は、人間の消化酵素で消化されない食品の成分で、腸内環境を整えて便秘の解消に効果があるといわれています。またオリゴ糖は、腸内の善玉菌を増やす働きがあり、生活習慣病の予防効果が知られています。さらに、食物繊維と同様に、腸内の余分なコレステロールや胆汁酸を吸収して排出する作用があるので、動脈硬化を予防する効果もあります。

新陳代謝を活発にする効果
アスパラガスに含まれているアスパラギン酸は、新陳代謝を高め、体内でたんぱく質の合成を高める働きをします。この作用から、肌を美しく保つ効果が知られています。

尿の合成促進
アスパラギン酸は尿の合成を促進する働きを持っています。たんぱく質に含まれる窒素から生成されるアンモニアは、尿として体の外へ排出されます。このアンモニアが尿として排出されず、体の中で循環器系に入ると体の各部分の活動の命令、調節、伝達を行っている中枢神経[※4]に悪影響を及ぼし、毒性を発揮します。アスパラギン酸は、尿の合成を促進し、体の外へアンモニアの排出を促すことで、中枢神経を守ることに効果的です。

コレステロール値を下げる効果
アスパラガスを摂取することで、総コレステロールおよび悪玉(LDL)コレステロール値を低下させる効果があります。

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※参考文献一覧
薬膳と漢方の食材小事典
2019、日本文芸社 p31
わかさの秘密
https://himitsu.wakasa.jp/contents/asparagus/

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