エゾウコギ     (ウコギ科)

ハーブ

エゾウコギ     (ウコギ科) 和名  シベリアンジンセン

【効き目】
アダプトゲン、賦活、ストレス対策、疲労、運動能力・集中力・持続力の低下、感染症予防、産後の回復など

中国で2000年前から、気を高めるハーブとして用いられてます。1960年ごろから旧ソ連のスポーツ選手や宇宙飛行士が、疲労を取り去って筋肉を強化したり、集中力を高めたりするのに使ったと言われています。 現代社会においては、ストレスに対する受け皿を大きくするハーブとして知られ、心身の健康強化に注目されています。エゾウコギは、ロシアや中国の一部、日本の北海道東部などの寒暖の差が60℃以上にもなる寒冷地のみに自生しているウコギ科の落葉低木です。ウコギ科の植物には生薬として使用されているものが多数あり、その代表的なものが高麗人参(朝鮮人参)です。エゾウコギはロシアでは命の根を意味する「エレウテコロック」、中国では枝に棘(とげ)が密生することから「刺五加(しごか)」と呼ばれ、日本ではエゾ(北海道)にだけ自生することからエゾウコギという名が付きました。

エゾウコギの歴史
エゾウコギの薬用部分は根皮であり、中国では2000年以上前から漢方薬として利用してきた歴史があります。16世紀に集大成された中国の薬学著書「本草綱目」には、「刺五加: 精気を補い、筋骨を強壮し、意志を堅固にする。長い間服用すれば、身体が軽快になり、老化を防ぐ」と記載されており、長寿の薬として紹介されています。エゾウコギは、世界各国で注目を集めるハーブです。日本では江戸時代に、米沢藩の上杉鷹山が各民家でエゾウコギを栽培するよう奨励したといわれています。これは、天候不順や天変地異により農作物の収穫が減って食糧が不足した場合や、劣悪な環境下でも育つエゾウコギの新芽や葉を食材とすることで乗り越えるためだったといわれています。実際にエゾウコギを食用して、飢饉を乗り切ることができたとされています。

エゾウコギの研究
エゾウコギは旧ソ連 (ロシア)、中国を中心に研究が進められ、1960年頃の旧ソ連において、エゾウコギが人の耐久力・抵抗力を増強し、作業能率の向上や疲労回復にも役立つことが見出されました。1966年に発表された、旧ソ連アカデミーのブレフマン博士による「エレウテコロック(エゾウコギ)の薬効は薬用人参よりもすぐれている」という評価をきっかけに注目を集めました。旧ソ連アカデミーの研究により、エゾウコギにはトリテルペノイド系の配糖体である、エレウテロサイドとイソフラキシジンが多く含まれていることがわかりました。サポニン配糖体を含む薬用人参に対し、エゾウコギには7種類の配糖体が含まれており、その薬理効果は6倍強といわれています。研究が進んでいくにつれ、エゾウコギに含まれるエレウテロサイドやイソフラキシジンなどの有効成分には、集中力や免疫力を高めたり、ストレスや疲労の回復を助ける作用、自律神経のバランスを回復したり緊張をやわらげて精神を安定させる鎮静作用などの効果があることがわかりました。日本での研究調査が開始されたのは1973年で、北海道大学(農学部・薬学部)と道立衛生研究所を中心に行われました。北海道東部(美幌地方)に自生するエゾウコギと、ロシアや中国のものが同一植物であることが確認されました。

エゾウコギとスポーツの関係
エゾウコギが広く世界に知られるようになったきっかけは、1980年のモスクワオリンピックです。エゾウコギを飲んで圧倒的な強さと記録をたたき出した旧ソ連の選手らが、大変な話題となりました。エゾウコギエキスを飲むことで選手の疲労が抑えられて記録が伸びたとされ、エゾウコギに含まれる成分がドーピング規定に抵触しないことから、世界中の注目を集めました。同じ1980年にイギリスの老人医学の権威であるステファン・フルダー博士が、科学雑誌「ニューサイエンティスト」に、トップアスリートへのエゾウコギの投与効果に関する論文を発表したことが、人気に拍車をかけたといわれています。日本国内でも1990年代以降は、極度の緊張状態の中で最高のパフォーマンスが求められるアスリートや、体力の消耗の激しい状態の中で集中力の持続が求められる宇宙飛行士などに愛用されるようになりました。エゾウコギから抽出したエキスを濃縮したものを、液状、顆粒、粒状、またお茶などに加工した商品が登場したことで、手軽に摂取できることも相まってエゾウコギが注目されるようになりました。

エゾウコギの効果

免疫力を高める効果
エゾウコギの主成分であるエレウテロサイドEには、脳下垂体から脳内モルヒネといわれるβ-エンドルフィンの分泌を促進する作用があります。このβ-エンドルフィンは、免疫機能に大きく関係しています。β-エンドルフィンがNK細胞に結合することにより、NK細胞が活性化されます。NK細胞は、健康維持に大きな役割を担っており、細胞の活性はストレスによって容易に低下して免疫力も落ちてしまうため、様々な病気にかかりやすくなってしまいます。β-エンドルフィンの働きによりNK細胞の働きが活発になるため、病気予防につながります。

疲労回復効果
肉体的な痛みや疲労が蓄積すると、脳の下垂体部分からβ-エンドルフィンという物質が分泌されます。エゾウコギの根に含まれるエレウテロサイドEという成分には、このβ-エンドルフィンの血中濃度を上昇させる作用があります。エゾウコギを運動前に摂取しておくとβ-エンドルフィンの分泌が促され、運動による疲労やストレスが早期に軽減されます。これにより体の回復力が高まり、持久力や集中力を保つことが可能となるため、記録やトレーニング効果が向上するといった滋養強壮効果が得られることがわかっています。疲れにくい強い身体となることによって、風邪や食欲不振などになりにくく、アレルギー体質も改善する効果があるようです。

生活習慣病を予防する効果
エゾウコギの有効成分である、エレウテロサイドBやイソフラキシジンには、白血球や血小板の粘着、凝集を抑えて血流を良くする働きがあります。これにより、糖尿病や高血圧などの生活習慣病、頭痛、肩こり、冷え症の予防に役立ちます。

更年期障害を改善する効果
更年期の不快症状は、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が低下することで起こります。エゾウコギに含まれるピノレジノール・ジグロコサイドという物質が、体内で女性ホルモンに似た作用をするエンテロラクトンという成分に変わることから、乳ガンや更年期障害の治療・予防効果が期待できるとされています。

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※参考文献一覧
すすきちえこ、はじめてのハーブ手帖、メディアパル、
2020、p107
わかさの秘密
https://himitsu.wakasa.jp/contents/ezoukogi/

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