クズ 【葛】風邪の妙薬「葛根湯」(かっこんとう)の主原料
【効き目】
胃腸浄化、解熱、下痢、腹痛、食中毒など
クズは、山野に自生する多年草木で、つるを伸ばして生える大型の植物です。葉は大きく裏表は白っぽい。保温性が強く細胞に力をつけるので、体が温まり消化吸収を助け血行を促します。病弱者には非常に大切な食べ物です。この葉の葉緑素は、健胃、造血、便通を助けるので、若葉を茹でたり天ぷらにして食べると良い。「ヘリクロゲン」という葉緑素が市販されていますが、これは野生のくずの葉を粉末にしたものです。根は漢方で有名な「葛根湯」の主材料で、発汗、解熱剤に使用されています。純粋の葛粉はクズの根を潰してデンプンを抽出したもので、胃腸の浄化、毒下し、風邪の熱とり、下痢止め、腹痛緩和の妙薬です。冷え性、貧血、低血圧、内臓下垂、生理不順といった体質の人はなるべく葛粉を使った料理を食べるようにすると良いでしょう。クズにはイソフラボンとサポニンが豊富に含まれるため、以下のような健康に対する効果が期待できます。クズとは、マメ科のつる植物で半低木性の多年草です。主に日当たりの良い山野に生育しており、日本から中国、東南アジアに多く分布しています。「秋の七草」のひとつに数えられ、夏から秋にかけて美しい紅紫色の花を咲かせます。
葛(クズ)の利用法
葛は昔から根や葉、花、つるにいたるまで全ての部分が利用される植物です。根や葉、花は薬効を求めて生薬や食品として使われてきました。土の中にある葛の根には、大量のでんぷんが含まれています。葛の根から繊維質を取り除き、純粋にでんぷんだけを取り出して乾燥させたものが一般に葛粉(くずこ)、または葛でんぷんと呼ばれています。昔はでんぷんといえば葛でんぷんと考えられていましたが、最近では生産量が少なくなり、病人食や高級菓子に使われている程度です。葛粉をお湯に溶かした葛湯(くずゆ)は、滋養食として現在でも親しまれています。葛の根は葛根(かっこん)という生薬名でも取り扱われており、多くの漢方薬に配合されています。中でも風邪などの症状が出た際に飲まれる「葛根湯(かっこんとう)」がよく知られています。葛の花を乾燥させたものは、生薬名で葛花(かっか)と呼ばれています。葛花は「酒毒(しゅどく)を消す」といわれ、二日酔いの予防や解消のために日本や中国、台湾、アジア諸国で用いられてきました。中国の「名医別録(めいいべつろく)」には「葛の花は酒を消す」と記され、日本の「救民妙薬(きゅうみんみょうやく)」にも「酒毒には、葛の花」と記録されていることから、古くから葛の花が持つ薬効が知られていることがわかります。他にも、葛の青葉を搾ってつくる青葉汁は切り傷の回復や糖尿病の改善に、新芽を水で煮出してつくる新芽茶は養毛効果に良いとされています。葛は食用としても幅広く利用されています。若葉や新芽は生のまま天ぷらや炒め物にされたり、塩茹でして和え物や酢の物として食べられています。葛の花やつぼみは、漬け物や葛の花ご飯、酵母、花酒、花酢など様々に利用されています。
また、葛のつるの部分は編んでかごなどに利用されます。
<豆知識>和菓子に利用される葛粉
葛粉は和菓子の材料としても古くから親しまれています。葛粉を溶かしたものは固まると半透明、もしくは透明になります。その涼しげな見た目から、特に夏の和菓子の材料として重宝されています。
葛(クズ)に含まれる成分
葛の花にはイソフラボンとサポニンが含まれています。植物由来のエストロゲンとも呼ばれるイソフラボンは、女性ホルモンの一種であるエストロゲンと同様の働きをするため、更年期障害や骨粗しょう症の予防・改善に効果的であるといわれています。エストロゲンが過剰に分泌された場合には、イソフラボンがエストロゲン受容体に結合し、エストロゲンの働きを抑えます。また、グルコース(ブドウ糖)を脂肪に変換させにくくする働きもあるとされています。サポニンは、大豆や高麗人参などにも含まれる渋みや苦みの主成分です。サポニンには血管についたコレステロールを除去したり、血中脂質を減らす働きがあることから、動脈硬化を進める過酸化脂質の生成を抑制する効果が期待されています。イソフラボンとサポニンのダブルの効果で体の中の脂肪代謝が活発になり、脂肪が溜まりにくい体をつくることができるといわれています。またイソフラボンとサポニンは、二日酔いの原因物質とされるアセトアルデヒドの代謝や排泄にも大きく関わっているといわれています。葛の根の部分は医薬品として扱われています。長期にわたって使用する場合に関しては、薬剤師や医師に相談してください。また、妊娠中の方が、大量に摂取した場合の安全性は確認されていませんので、大量摂取は控えてください。
葛の効果
更年期障害の症状を改善する効果
葛の花にはイソフラボンが多く含まれています。イソフラボンとは大豆胚芽に多く含まれるポリフェノールの一種で、女性ホルモンであるエストロゲンと同じような働きを持つ成分です。エストロゲンには女性に月経をもたらし、女性らしい体つきや美しい肌をつくる働きがあります。また骨からカルシウムが溶け出すことを抑える働きも持ち、骨密度の維持やイライラの解消にも効果的であると考えられています。更年期のイライラやのぼせ、肩こり、冷え、肌荒れといった不調は、エストロゲンの減少が大きな要因であると考えられています。イソフラボンが年齢とともに減少するエストロゲンの作用を補って働くことから、更年期の症状の予防・改善が期待されています。また、善玉(HDL)コレステロールの生成を助ける働きや、アテローム性動脈硬化の原因となる悪玉(LDL)コレステロールの酸化を抑制する抗酸化作用も持ち、動脈硬化や高脂血症を予防するといわれています。
骨粗しょう症を予防する効果
葛に含まれるエストロゲンには、カルシウムが骨から過剰に溶け出すことを防ぐ働きがあります。更年期になるとエストロゲンが減少するため、徐々にカルシウムが失われていき、骨粗しょう症の発症リスクが高まります。葛の花に含まれるイソフラボンにより、カルシウムが溶け出す量をコントロールするエストロゲンの働きがサポートされるため、骨粗しょう症の予防に期待ができます。また、イソフラボンは骨密度の低下を防ぐだけでなく、骨密度を高める働きもあります。イソフラボンの摂取量が多い人は骨密度が高いという調査報告も出ています。
血流を改善する効果
葛の花に多く含まれるサポニンには血液中のコレステロールや脂質を運んで血流を改善する効果があります。葛の根には血行を促進させる働きがあり、風邪の時や胃腸が弱っている時などに利用されます。寒気や熱を下げるとされ、よく感冒薬(風邪薬)に配合されています。
ダイエット効果
葛の花に含まれるサポニンには、脂肪の吸収を阻止するダイエット効果が期待できます。食事から摂った栄養素はグルコースに変換され、体脂肪として体内に蓄えられます。サポニンには脂肪の蓄積を防ぐ働きがあるので、ダイエット効果が期待できます。
肝機能を高める効果
クズの花は昔から生薬として肝臓の健康に役立てられてきました。花を煎じて服用すれば、二日酔いをはじめとする酒毒に効果があるとされていました。
近年の研究で、クズの花の摂取によって肝臓のダメージを示すGOT,GPTの値を改善するほか、アルコール依存症の予防にも役立つという研究も報告されています。
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※参考文献一覧
東城百合子、野草と野菜、三笠書房、2019、p24
わかさの秘密
https://himitsu.wakasa.jp/contents/arrowroot/