ベニバナ 【紅花】  (キク科)

ハーブ

ベニバナ   【紅花】   (キク科)


【効き目】
月経困難、生理痛など婦人病の特効薬、唇、口内の荒れの改善など

ベニバナは6月頃、アザミに似た黄と紅の2色が混じった綺麗な花を咲かせます。昔は口紅はベニバナから作りました。万葉の昔から布の染料や化粧品の材料として使われた古い歴史のある植物です。一方、漢方薬としても古くから重要視され、古血(瘀血)をとり去って血をきれいにするので、生理不順、生理困難、その他婦人病の特効薬として広く使われてきました。少しずつ使うと増血し、一度に多く使うと血を下す効果があります。また、口内のあれ、痛み、唇の荒れを癒す力があり口中薬として珍重されてきました。口紅は単に化粧品としてだけでなく、唇に塗ることによって浄血、荒れ止め、婦人科系を丈夫にする働きをかねていたのです。
体を温め血行を良くしホルモンバランスを正す助けにもなります。

紅花の歴史
紅花は古くから黄色の染料として世界各地で使用されており、エジプトやインドなどで数千年前から栽培が行われています。エジプトでは防腐のためにミイラの布を黄色く染める際にも紅花が利用され、紀元前2500年のミイラの着衣から紅花の色素が認められています。中国では3世紀にはすでに栽培が始まっており、漢の時代の僧・張騫(ちょうけん)が中央アジアからもたらしたとされています。ヨーロッパやアメリカには随分遅れて伝来し、主に油料作物として栽培され、現在でもアメリカやオーストラリアなどで大規模な栽培が続けられています。日本への伝来の時期については現在も定かではありませんが、飛鳥時代にシルクロードを渡って伝えられたといわれています。1989年に奈良県生駒郡の藤の木古墳(6世紀)の石棺内に紅花の花粉と顔料らしきものが発見され、古くから日本でも紅花が利用されていたことが明らかになりました。中国の工人が裁縫や染色の技術とともに紅花の種を持ってきたとの一説や、推古天皇の時代に朝鮮半島から日本にやってきた僧・曇徴(どんちょう)により伝えられたともいわれています。日本では山形県で栽培している最上紅花(もがみべにばな)が有名です。日本での紅花の栽培は平安時代には関東地方から中国地方にかけて、広い地域に渡り、栽培が行われていました。中世末期以降には、山形県でも生産され、近世初期には山形県が紅花の代表的な生産地となりました。江戸時代には日本各地で紅花の栽培が行われていましたが、その当時から最上紅花は高品質で知られており、生産量においても最大であったことが知られています。最上紅花は最高品質の紅花として非常に珍重され、幕末の「諸国産物番付」においては東の関脇として最上紅花の名が挙げられています。紅花は山形県の県花にも指定されています。

紅花の原産地・生産地
紅花の原産地ははっきりと確定されていませんが、古くから栽培されていたエジプト付近が有力とされています。またその他の原産地として、アザミ類の野生植物が多いアフリカやナイル川流域(エチオピアなど)、および紅花近縁の野生種が多い中近東付近(アフガニスタンなど)なども挙げられています。日本で有名な最上紅花は、最上川中流域の山形県村山地方で生産される特産の紅花です。村山地方は土地が極めて肥沃であり、また盆地の特性として朝霧や朝露が起きやすく、紅花の栽培に非常に適した土地です。現在も栽培されている最上紅花は色素が多いので染料として使われ、食用やベニバナ油の原料として用いられているのはほとんどがアメリカ種やブラジル種などの外国種の紅花です。

紅花の品種
主な紅花の品種には、トゲがある「もがみべにばな」と、トゲがない「とげなしべにばな」とがあります。「とげなしべにばな」は在来種で主に染料として利用されます。また、「とげなしべにばな」は観賞用に改良された品種なので、主に切り花用として用いられます。その他、紅色素を持たない黄色種や白色種など珍しい紅花もあり、さらに早生種、晩生種、アメリカ種、岡山種、中国種、カシュガル種、イスラエル種、ブラジル種等があります。

紅花の利用法
紅花には様々な利用法があります。主な利用法として茎や葉は、食用や茶、飼料として、生花は観賞用・ドライフラワーなどに利用されます。また干した紅花は染料、茶、酒、薬用などに、また種子はベニバナ油、肥料や飼料などに利用されます。
・色素の利用
紅花の花には黄色の色素であるサフラワーイエロー(safflower yellow)と、紅色の色素であるカルタミン(carthamin)の2種類の色素が含まれており、いずれも染め物などに利用されています。サフラワーイエローは水溶性で簡単に色素を取り出すことができます。そのため安価な衣料品の染料や料理の着色などに使用されています。一方、カルタミンは発色が良く、質の良い衣料品や化粧の紅などに利用されています。紅染めはかつて高貴な人しか着ることを許されず、京都の西陣織のような高級な着物にだけ使用されました。紅花からとれる色彩であるため、赤い色や口紅を「紅(べに)」といいます。カルタミンは水にほとんど溶けないため、紅色の色素を取り出すために紅餅(べにもち)などの様々な技法が開発されました。
紅餅は紅花の紅を取り出すための加工法のひとつで、江戸時代には最も一般的な方法でした。紅花の加工法としてはただ生花を乾かすだけの乱花の方が簡単ですが、紅餅にして発酵させることで、より鮮やかな紅が得られるといいます。最上紅花は主にこの形で出荷されます。

・ベニバナ油(サフラワー油)
紅花の種子の胚芽に含まれる油脂は、ベニバナ油(サフラワー油)として利用されています。ベニバナ油は不飽和脂肪酸であるリノール酸が豊富に含まれており、高品質で健康に良い食用油とされています。ベニバナ油の油煙からつくる炭が紅花墨(べにばなずみ)で書画用の墨としてよく使われています。油を搾った後の種子は安価で栄養価も高く、家畜の飼料などに用いられています。

・その他の利用法
摘み取った紅花の花を水洗いして乾燥させたものを生薬の紅花(コウカ)として用います。血行を促し、浄血作用があるとされ、主に月経不順などの血液の悩みや冷え性、更年期障害など、女性に多い悩みに良いとされています。
紅花(コウカ)は、お湯につけこんで紅花酒としたり、お湯を注いでつくる紅花茶として私たちの生活の中に手軽に取り入れることができます。
その他、紅花は観賞用などに使われたり、若い芽や葉は食用とされます。
於血(おけつ)を改善する作用が強いので妊娠中の方は大量摂取に注意してください。また、暑がりの人が飲むとのぼせることがあるので注意が必要です。

紅花に含まれる成分と性質
紅花の栄養成分としては、ベニバナ油に含まれるリノール酸やオレイン酸、紅花茶に含まれるビタミンE、リノール酸、食物繊維、フラボン、カルコンなどが挙げられます。

紅花(ベニバナ)の効能は?

婦人病を改善する効果
紅花茶は「女性に優しい健康茶」として有名です。紅花は生薬として血液の流れを良くし体を温め、冷えを改善する効果があります。また、血液をきれいにし、流れを良くする働きから血液の不調が原因の月経痛や月経異常の改善に用いられています。また、若返りのビタミンである、ビタミンEの強力な抗酸化作用によって「アンチエイジング(若返り)」や更年期障害の軽減などに効果があります。

生活習慣病の予防・改善効果
植物油脂に多く含まれる不飽和脂肪酸は、体の生理活性作用を担っており、健康に様々な効用をもたらします。また不飽和脂肪酸の一部は人間の体内で合成できないため、植物性油脂から摂取する必要があります。不飽和脂肪酸には多くの種類がありますが、その代表的なものにリノール酸やオレイン酸などがあります。リノール酸もオレイン酸も、コレステロールを低下させて高血圧や動脈硬化の予防に効果があります。リノール酸は血中の悪玉(LDL)コレステロールを減少させることにより、動脈硬化、心臓病、高血圧などの予防や改善に働きかけます。ベニバナ油(サフラワー油)には2種類のタイプがあります。ひとつはリノール酸が70%以上含まれるもの、もうひとつはオレイン酸が70%以上含まれるものです。ベニバナ油は数多くある植物油の中でもリノール酸を最も多く含んでいます。ただし、油脂は高エネルギーのため、摂りすぎは肥満につながるので注意が必要です。また、リノール酸の過剰摂取は免疫力を弱め、アトピーや花粉症などのアレルギー症状、老化、心臓病、ガンなどを促進するという報告もあります。

便秘を解消する効果
オレイン酸は血中の悪玉(LDL)コレステロールを減少させるとともに、胃酸の分泌を調整して胃酸過多や胃潰瘍を防いだり、腸内環境を整えて便秘を予防・解消するなどの効果があります。また、紅花の色素成分やカルコンにも整腸作用があり、便秘や下痢の解消に役立ちます。

炎症や痛みを抑制する効果
紅花には、体を温めて痛みを抑制する効果や、炎症を抑制する効果があります。
この効果を利用して、捻挫や打ち身などの内出血に対してベニバナ油が外用に用いられていたほか、紅で染めた布を肌につけると体が温まるとして、腹巻、足袋、腰巻等にも使用されていました。

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※参考文献一覧
東城百合子、野草と野菜、三笠書房、2019、p63
わかさの秘密
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