クチナシ    【梔子】

薬草・野草

クチナシ 【梔子】

【効き目】
打ち身、ねんざ、腫れもの、肝炎、吐血、腰痛の改善など

クチナシは、純白で清楚な花が咲き、芳香を放ち、晩秋の頃、黄赤色の実をつけます。この実がクスリになります。果実が熟しても口を開かないから「口無し」と名前がついたとする説もあります。実は赤く熟したものを取り、日光で十分乾燥させます。これを漢方では「山梔子」(さんしし)と呼ばれるものです。クチナシの実は古い飛鳥時代から布地染料に使われました。食品の色づけにも無害な黄色の着色料として利用されてきました。人体に害のある科学着色料と違いクチナシの実の自然の色と香りを生かした着色料は、健康上よいものです。クチナシには炎症をとる効果があるので、腫れものの外用、内服薬に使われます。スパイスとしても用いられ、古くから消炎や鎮静の薬として用いられてるのです。山梔子はカロテノイド色素の一種であるクロセチンが含まれており、1kgのクチナシの実からたった5g程度しかとることのできない貴重な成分です。目の疲れをほぐす働きが期待されています。アカネ科クチナシ属の植物であるクチナシの果実を乾燥させてつくる生薬を山梔子といいます。クチナシは日本、台湾、中国、インドシナに広く分布する常緑樹で暖かい気候を好み、主に暖帯や亜熱帯地域に自生します。特に日本では海岸近くの野山に自生することが多いです。夏には白くてジャスミンに似た芳香を放つ花を咲かせます。葉は楕円形で先端が少しとがり濃い緑色、表面には光沢があります。果実は熟すとオレンジ色になり乾燥させたものはたくあんや栗きんとんなど黄色く染める着色料となり、また布地の染料としても使用され、日本の生活に深く結びついた植物です。大分県の郷土料理・黄飯の色づけにも用いられ日本人の生活になじみがあったといえます。スパイスとしても用いられ、古くから消炎や鎮静の薬として用いられてるのです。山梔子はカロテノイド色素の一種であるクロセチンが含まれており、1kgのクチナシの実からたった5g程度しかとることのできない貴重な成分です。目の疲れをほぐす働きが期待されています。

山梔子の種類
代表的な品種は以下のものがあります。

・ヤエクチナシ
八重咲き種です。熊本市の天然記念物に指定されています。

・コクチナシ
中国南部原産で、葉も花も小型で全体的に小さく収まるので鉢植えに適しています。

・オオヤエクチナシ
園芸品種です。花は八重咲きでボリュームがあります。ガーデニアの名前で流通することが多いです。

・マルバクチナシ
葉が小さく、先端が丸くなり、花も径3cmほどと小さいことが特徴です。

山梔子の特徴
原産地は日本、台湾、中国、インドシナで主な開花時期は6月~7月で、一重ものは早咲きで八重ものはやや遅咲きです。
樹高は50cm~3mで比較的育てやすいとされ、寒さや乾いた風に弱く、水はけの良い土を好みます。また株が大きくなってから植え付けてもなかなか根付きにくいという特徴をもちます。
香りが良いため、遠くからでもにおいを楽しむことができます。

山梔子のいわれ
鑑賞用として品種も多く、庭園によく見かけます。薬用にはクチナシのほか、コクチナシや園芸品種の果実も同様に使用できます。書物にもたびたび登場し、古くから日本人になじみのある植物であったことがわかります。
山梔子のもとであるクチナシには名前の由来が諸説あり、
・果実が熟しても裂けたりはじけたりしないので、口が無い「口無」
・果実の頂点にのこるガクを鳥のくちばし、細かい種子のある果実自体を梨に見立てて、口のある梨「口梨」
などです。

薬用としての山梔子
山梔子は生薬のひとつとして、煎じて黄疸などに用いられ漢方方剤として使われています。

山梔子(さんしし/クチナシ)の効果


眼精疲労を改善する効果
山梔子に含まれるクロセチンは眼精疲労に効果的な成分として知られています。
目は毛様体筋という筋肉が伸び縮みすることで水晶体(カメラでいうレンズの役割をする部分)の厚みを調節します。それによってピントを調節し、近くと遠くにピントを合わせることができます。近くを見るときは毛様体筋を緊張させ水晶体を厚くしますが、この状態が長時間続くことによって毛様体筋がこり固まってしまいます。さらに目の周りの血流が悪くなると、細胞や神経に酸素や栄養がうまく運ばれず、さらに目の疲れがたまってしまいます。この状態が続くことを眼精疲労といいます。山梔子に含まれるクロセチンは分子量が小さいため、毛様体筋に直接働きかけることでこりをほぐして眼精疲労を軽減する働きがあります。

血流を改善する効果
山梔子に含まれるクロセチンは抗酸化力が強く、血流を改善する効果があります。血流が悪いと体内に栄養や酸素が正常に運ばれず、それによって疲労物質の蓄積や免疫力の低下につながってしまいます。血流不良の原因とされるもののひとつに、紫外線やストレスなどによって生じる活性酸素があります。活性酸素とは、人間が空気を吸う以上、体に必ず発生してしまうものですが、少量の発生であれば殺菌などの効果により、人間の体を守る働きがあります。しかし活性酸素が大量に発生してしまうことにより、本来持つそのパワーから細胞を傷つけてしまい、それが老化の原因となってしまうのです。近年、紫外線やストレス、排気ガス、喫煙などにより現代人は多くの活性酸素が体内に発生していると考えられています。山梔子に含まれるクロセチンは、強い抗酸化力で体内の活性酸素を除去し、血流を改善する働きがあることから、老化防止にも役立つと考えられています。

肩こりをやわらげる効果
山梔子に含まれるクロセチンには、疲れ目からくる肩こりを改善する効果があるといわれています。疲れ目がひどくなってくると、目の周りの筋肉だけでなく首周りの血流まで悪くなってしまい、それが肩こりにつながります。山梔子に含まれるクロセチンに血流を改善する効果があるため、眼精疲労を軽減するだけでなく、肩こりもやわらげてくれる効果があります。

視機能を改善する効果

目は紫外線やテレビ・携帯電話などのブルーライトによって網膜にダメージを受けたり、視力が低下したりと悪い影響を受けます。ものを見る上で光は欠かせないものですが、強い光は目にとって良くないものとなるのです。光によるダメージの蓄積は黄斑変性症を招く要因にもなります。マウスに強い光を照射したのち、クロセチンを投与してものを通常の光環境にて14日間飼育したときの視細胞の委縮と細胞死が抑制されたということが明らかになりました。これにより、山梔子の含まれるクロセチンは光によるダメージから目を守り、さらには加齢黄斑変性症などの網膜障害を予防する可能性が示唆されています。

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※参考文献一覧
東城百合子、野草と野菜、三笠書房、2019、p27
わかさの秘密
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