ゴマ 【胡麻】
【効き目】
生活習慣病の予防、神経過敏の抑制、便秘解消、美容、若返りなど
ゴマは生命力の宝庫です。良質の脂肪、タンパク質、ビタミン、カルシウムがたっぷり含まれ、現代人が失った栄養素を補ってくれます。ゴマに含まれるタンパク質は、私たちの体をつくるのに欠かせない必須アミノ酸がバランスよく含まれています。ゴマの特有成分であるゴマリグナンに含まれるセサミンは、体内に発生する活性酸素を減らす働きがあるとして注目されています。また、カルシウムも食品の中でも特に多く、まれにみる豊富なカルシウム資源の金脈と言えます。わずか10gの中に100mg以上のカルシウムを含んでいます。カルシウムは神経過敏を落ち着かせ炎症を解消します。胃腸障害に悩む人や神経質な人は、動物性食品や甘いものの摂取が多くなるとカルシウム不足になり、ちょっとしたことでもイライラしたり、胸がドキドキしたり神経がイラつく。神経質な人はゴマを炒ってすりつぶしたものに無農薬の番茶(山の番茶など)を入れ自然塩を適当に加えて飲むと、不思議に落ち着くものです。これは昔の人の知恵です。ゴマを常用していると、健脳、強壮、持久力が育てられる。カルシウムとともに鉄、リンも豊富に含まれているので、これらの協力で腸が整えられ造血力が進み基礎体力が増強される。血行も良くなり神経系の働きも活性化し脳もよく働くようになります。
ごまの歴史
紀元前3世紀の古代エジプトでごまが健康に良いことや薬用に使われていたことが象形文字で記載されていました。日本でも縄文時代の遺跡からごまが出土しており、奈良時代にはごま油がつくられました。平安時代の『延喜式』にはごまは料理や菓子に、ごま油は食用、薬用、灯火用に使われていたことが記されていることから、ごまは古来より利用されてきたことがわかります。
ごまの栽培
ごまの草丈は約1mになり、薄紫色の花をつけ実の中に多数の種子を含みます。ぎっしり詰まった種子が熟成すると開裂し種子が飛散します。収穫する時は開裂する前に刈り取り、立てかけて乾かしてから逆さにしてたたいて種子を収穫します。ごまは栽培地を選ばず、手間をかけることなく栽培できる特徴があり、一番の収穫時期は9月頃になります。
ごまの産地
日本では鹿児島県、茨城県、栃木県などで生産されています。
また世界ではアフリカ、インド、中国での生産が盛んです。
ごまの旬と種類
ごまの旬は9月~10月です。ごまにはその形や色から小粒で油の含有量が多い白ごま、大粒だが油の含有量は低い黒ごま、油の含有量は多いが生産量が少ない茶ごま、粒の色が金色に近い金ごまの4種類があります。黒ごまはアントシアニンの抗酸化作用が免疫力を高め、ごま油の原料となる白ごまにはコレステロール値を下げる不飽和脂肪酸のリノール酸が多く含まれています。また、ごまに多く含まれるセサミンという成分は抗酸化作用のあるビタミンEとともに過酸化脂質ができにくくする働きがあります。しかし、ごま油は非常にエネルギー量が高いため肥満につながりやすく、またリノール酸も過剰に摂り過ぎると過酸化脂質の原因になりやすいので注意が必要です。
※豆知識 ごまの食べ方
ごまは外皮が固く、生で食べるのは消化に良くありません。生では種皮が固く香りも良くないのでごまを食べる際は通常はフライパンなどで炒ったもの(炒りごま)を用います。また切りごまやすりごまといった薬味の他、ごまだれ、ごま油、練りごまなど様々な方法も用いられます。リノール酸やオレイン酸は空気に触れると酸化しやすくなるので、使う直前に用意する方が良質な脂肪酸を摂取できます。炒ったり、すりごまなどの調理法はごまの栄養をしっかり摂るための昔ながらの知恵です。
ゴマの効果
ゴマの成分の約1%がゴマリグナン(ゴマに含まれる脂溶性の抗酸化成分の総称)ですが、セサミンはその中に含まれており、とても貴重な成分です。セサミンは体内で過酸化脂質が増えることを抑制します。また動脈硬化の原因となる悪玉(LDL)コレステロールの増殖を防ぎ、強い抗酸化作用で肝機能を高める効果があります。セサミンの摂取目安量は1日10mgで、ごま3000粒分になります。
肝機能を高める効果
セサミンは強い抗酸化力を持ち、体内の酸化を防ぎます。
中でも活性酸素が多く発生する肝臓において抗酸化作用を発揮し、肝臓の活性酸素を取り除いて細胞が傷つくことを防ぎます。また肝臓のアルコール分解を助ける働きがあるので、お酒を飲む前にゴマを少し食べておくと二日酔いや悪酔いの防止が期待されます。
コレステロール値を下げる効果
ゴマの持つ不飽和脂肪酸(リノール酸、オレイン酸)には、血中のコレステロールを減らす作用があり、血管を浄化して血行を良くします。またゴマに含まれるビタミンEやセサミンにも同様の効果があるため、ゴマは健康な血管を保つのに良い食材です。
肌や髪の健康を保つ効果
ゴマには、ビタミンB1、ビタミンB2、カルシウム、鉄、マグネシウムなどのビタミンやミネラル類が1粒の中に詰まっています。豊富なカルシウムは骨を丈夫にする働きが期待できますし、その他のミネラル類との相乗効果によって肌や髪につやを与えます。またビタミンB1は糖質の代謝にも役立ちます。
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※参考文献一覧
東城百合子、野草と野菜、三笠書房、2019、p91〜92
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