ベルガモット (ミカン科)
【効き目】
消化機能亢進、緩和、抗菌、消化不良、心身の緊張、不眠など
ベルガモットはコロンブスによってスペインに紹介され、そこから現在の産地であるイタリアにもたらされました。北イタリアの小都市ベルガモの名前に由来してるとされています。ナポレオン時代、香水の原料の香りとしても人気で、軽やかで嫌味のない香りが好まれ、その人気は今でも続いています。紅茶のアールグレイの香り付けには、このベルガモットが使われています。柑橘系に多く見られる消化機能への働きかけが特徴で、食欲不振や消化不良を改善します。また、精神面でのリラックス効果も大きく、不安や落ち込み、不眠に対して優しく包み込んでいくような安心感をもたらします。エッセンシャルオイルを活用する際に気を付けなければならないのは、光毒性です。マッサージや昼間に活用したい場合は光毒性を持つベルガプテン成分を取り除いたベルガプテンフリー、またはフロクマリンフリー(FCF)のものを選ぶと良いでしょう。
アロマテラピー
アロマテラピーをはじめとする芳香療法はフランスで盛んになりました。1875年に医学雑誌で初めて香料の治癒力があることが取り上げられました。その中でイギリス人のW.S.ワトソンは、心の病には香りが効果的であり、ベルガモットやレモンには勇気と決断力を与える効果があると述べています。ベルガモットは主に精油を入浴や足浴、芳香浴で使用します。入浴や足浴で用いる際には、精油を少量たらして使用します。入れすぎると刺激が強く、肌が赤くなったり、ヒリヒリしたりすることがあるため注意が必要です。
ハーブティーのベルガモット
香料に利用されるベルガモットの他に、ハーブティーとして利用されるベルガモットがあります。こちらのベルガモットはシソ科ヤグルマハッカ属のハーブで、タイマツバナやビーバーム、モナルダとも呼ばれます。葉の香りが香料に利用されるベルガモットとよく似ているためベルガモットと呼ばれています。全草から水蒸気蒸溜法で抽出される精油は、淡黄色でベルガモットの精油にミントの香りがミックスされたような香りです。
※ポイント
柑橘系のエッセンシャルオイルは、光毒性を持つものが多いので、外用で使う場合や使う時間帯に注意しましょう。
ベルガモットの効果
ストレスをやわらげる効果
ベルガモットはストレスをやわらげ、心をリフレッシュさせる効果があります。ベルガモットに含まれる酢酸リナリルには神経バランスを整え、心を落ち着かせる働きがあります。そのため、ストレスが原因で生じた食欲不振や消化不良などの症状などに使われることもあります。また、禁煙のための香りとしても知られています。これはタバコを吸ってしまう原因となるストレスを、ベルガモットの香りが緩和させるため間接的に禁煙の効果が得られると考えられます。
不眠を解消する効果
ベルガモットは不安や抑うつを伴う不眠を解消する効果も期待できます。ベルガモットの甘い柑橘系の香りは気分を明るくし、心をリフレッシュさせます。就寝前に芳香浴を行ったり、入浴時に用いたりすることで睡眠を促してくれます。
下痢や膀胱炎の症状を緩和する効果
ベルガモットには、体を温める働きがあります。これは、ベルガモットに含まれるリモネンには血流を増加させ、腸のぜん動運動を助ける働きがあるためです。そのため、膀胱炎や下痢などの症状に使われることがあります。ベルガモットが体を温め、さらに不快感やストレスも解消する効果もあることから、症状緩和に大変効果的です。
冷えを改善する効果
冷えの主な原因はストレス・食生活・運動不足だといわれています。これらの3つの要因が重なり合い、症状となって表れます。ベルガモットに含まれるリモネンには血流を増加させ、血液循環を高めることが知られています。また、ベルガモットにはストレスをやわらげる効果もあるため、ベルガモットの精油を1~2滴たらして入浴や足浴をすることで冷えの改善が期待できます。
抗菌効果
ベルガモットには抗菌作用があります。料理を作る際、食品を長持ちさせるためにハーブを用いるのはハーブの中に含まれる精油が抗菌作用や防腐剤の役割をするためです。特にベルガモットは、大腸菌や枯草菌などの病原体に対して抗菌力を発揮します。フランスのアロマテラピーでは、精油の抗菌効果利用し、抗生物質などの薬の代わりに精油を使った治療も行われています。
⭐︎個人的に気になる商品♩
良かったら覗いてみてくださいねー♩
※商品サイト
香詩乃
※参考文献一覧
すすきちえこ、はじめてのハーブ手帖、メディアパル、
2020、p24
わかさの秘密
https://himitsu.wakasa.jp/contents/bergamot/