ニンジン 【人参】
【効き目】
強肝、胃潰瘍、ガン予防、目の疲れ、喘息、冷え性改善など
ニンジンは昔から野菜の王様といわれ、ニンジン好きな人は丈夫だと言われています。志摩半島の海女は昔からの伝統食を食べ、酸素マスクなしで海に長くもぐりますが、特にニンジンを食べると海に潜った時に力がでるといいます。肝臓が強化されるからでしょう。長寿研究の近藤正二博士は、全国各地を歩いて調査した結果、岩手県の二つの村でニンジンを食べるか食べないかの違いだけで、一方、長寿村、一方は短命村になっていたといいます。また、よくニンジンを食べてる人は、肺ガン、前立腺ガンになりにくいと言われてます。ところが不健康をぼやく人に、肉や砂糖好き、ニンジン嫌い、野菜嫌いが多いのも困ったことです。ニンジンの色はカロテンという色素で、ビタミンAと同じ働きをします。ビタミンAがなぜガンに効くと言われだしたかというと、ビタミンAは肝臓の働きを助け、毒素や老廃物を出す大掃除の役目をするからです。ことに公害や食品添加物など現代人は、ガンになる要素を多くもっている。その害から守るために肝臓を強化して血液を浄化し、脂肪の燃焼を助けることも大きな力です。
にんじんの歴史
古代ギリシャでは薬用として根が枝分かれした刺激の強いにんじんが栽培されていたようです。10世紀頃に現在のような円錐形のにんじんが現在のトルコ西部辺りで誕生したとされ、12~15世紀頃にヨ-ロッパに広まりました。オレンジ色のにんじんは17~18世紀頃にオランダでつくり出されたといわれています。東洋にんじんは12~13世紀頃に中国に伝わり、その後改良されて日本に伝わりました。現在主流の西洋にんじんは江戸時代後期になってから日本に伝わり、明治時代以降に日本中に普及しました。
にんじんに含まれる成分と性質
「カロテン」という名前は、にんじんの英名「キャロット」が語源であるといわれる程、にんじんにはカロテンの一種であるβ-カロテンが豊富に含まれています。β-カロテンは油と一緒に調理すると体内で効率よく吸収できるため、油などでソテーにしたりオイル系のドレッシングをかけて食べることがおすすめです。
β-カロテンは体内で必要な分だけビタミンAに変換されるため、摂りすぎる心配がなく安心です。野菜の中では炭水化物が多く、ショ糖を多く含んでいるため特有の甘みを持ちます。ビタミン類やミネラル類をバランス良く含んでいます。調理のレパートリーが広く、一度にたくさん食べることができるため緑黄色野菜の中でもトップレベルの栄養価だといわれています。また、にんじんの葉も食べることができます。にんじんの葉は、カリウム、鉄、カルシウム、ビタミンB群、ビタミンE、ビタミンC、ビタミンK、カロテンなどを豊富に含む、栄養価の高い緑黄色野菜です。
にんじんに含まれる酵素
にんじんには、ビタミンCを酸化させる酵素であるアスコルビナーゼが含まれています。加熱調理する場合は酵素が不活性化するため問題はないのですが、生の状態でビタミンCに富む野菜と一緒に食べる場合は、酢または柑橘系(レモンなど)のしぼり汁を加えるとアスコルビナーゼの働きを抑制してくれます。すりおろすことによりアスコルビナーゼの働きが活発になるため、ジュースに加える際は注意する必要があります。
ニンジンの効果
動脈硬化を予防する効果
日常生活で体内に発生する活性酸素は、血中の脂質を酸化させ動脈硬化の原因となります。β-カロテンには体内の活性酸素を除去する働きがあり、血中の脂質の酸化を防ぎ血管を若々しく保ってくれるため、動脈硬化の改善や予防に効果を発揮するといわれています。特に金時ニンジンには、赤色の色素であるリコピンも含まれているため、より強い抗酸化作用が期待できます。
目の健康を保つ効果
β-カロテンから変換されたビタミンAは、目が網膜で光を感じる時に必要なロドプシンの生成に必要とされる成分で、夜盲症や眼精疲労の予防に効果があります。また、ニンジンにはルテインが含まれています。ルテインは目の水晶体や黄斑部に多く存在し、強い抗酸化力を持つカロテノイド色素で、紫外線などのダメージから目を守ります。紫ニンジンには、目の健康を保ってくれるポリフェノ-ールの一種であるアントシアニンも含まれます。
免疫力を高める効果
β-カロテンから変換されたビタミンAは皮膚やのどなどの粘膜を正常に保つ働きがあり、免疫力を高めてくれるため、口内炎や風邪の予防に効果的です。
美肌効果
ニンジンにはβ-カロテンが豊富に含まれます。β-カロテンから変換されたビタミンAには皮膚や粘膜を丈夫に保ってくれる働きがあるため肌のカサつきや肌荒れを改善してくれる働きがあります。また、β-カロテンは紫外線によって発生した活性酸素を無効化する働きがあり、シミやそばかすの原因となるメラニン色素の発生を抑制する効果があります。
高血圧を予防する効果
食塩の過剰な摂取などによりナトリウムが血中に多く存在すると、体内で水分の移動が正常に行われなくなり高血圧を招いてしまいます。ニンジンに含まれるカリウムには、余分なナトリウムを体外に排出する働きがあるため、血圧を下げ高血圧を予防してくれる効果が期待できます。
便秘を解消する効果
ニンジンにはペクチンと呼ばれる食物繊維が豊富に含まれています。ペクチンには、腸の調子を整え便秘を解消する働きがあります。
⭐︎個人的に気になる商品♩
有機肥料・無農薬栽培で作られた京都府の乾燥人参(京くれない)
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※商品サイト
全国津々浦々ライブコマース(つつうら)
※参考文献一覧
東城百合子、野草と野菜、三笠書房、2019、p121〜p122
わかさの秘密
https://himitsu.wakasa.jp/contents/carrot/