ドクダミ 【蕺草】 (ドクダミ科) 和名 十薬
【効き目】
糖尿病、心臓病、腎臓病、肝臓病、皮膚炎の改善、動脈硬化、高血圧の予防など
ドクダミ(毒を矯める)は名のごとく毒を止める働きがあり、めざましい解毒作用がある。2000年以上前から民間薬として使われてきたドクダミの歴史は古く十種の効果があるので「十薬」とも呼ばれてます。この薬効は素晴らしく、毛細血管を丈夫にして毛細血管を丈夫にして動脈硬化や高血圧の予防に役立つ。脳卒中の後遺症、心臓病、皮膚疾患、便秘、アトピー性皮膚炎などで苦しむ人、食べ過ぎで糖尿病に悩む人も多いが、毒消し、毒下しをするドクダミは、これらの特効薬。優れた利尿作用もあり、むくみ、膀胱炎、腎臓病にも効き、内臓全体の働きを助けます。葉緑素が多くビタミンAになるカロテンも多いので肝臓にも良い。とにかく解毒、浄血に優れているということは内臓全体の働きを正すということで病気も自然と快方に向かうということになります。強い臭気を嫌う人も多いが、乾燥させたり高温加熱すると臭気は消えます。この臭気を出すデカノイルアセトアルデヒドは抗菌性で酵素も多く薬草の中でも効能はトップクラスです。ドクダミは東アジア地域に分布する多年生草木で、日本でも全国各地で見ることができ、6月の梅雨の時季に黄色い穂状の花をつけます。一般的に白い花びらのように見えるのは、植物学的には花ではなく「蔀(ほう)」と呼ばれるがくの部分です。ドクダミは、生のドクダミが持つ特有の臭気がまるで毒を溜めているようで「毒溜み、毒矯み(ドクダミ)」に由来し名付けられたといわれています。ドクダミの漢方生薬名は「十薬」といい、馬に食べさせると10もの効果があるということから名付けられました。ドクダミには特有の香りがあり、繁殖力が強い地下茎は長く伸びて分岐するため、一度根づくと、なかなか除草することができません。そのため、ドクダミは除草しにくく、しぶとい草であることから「シブト草」とも呼ばれます。ドクダミには強い独特な香りを持つデカノイルアセトアルデヒドという精油成分やクエルシトリン、イソクエルシトリン、ミネラルなどの成分を含んでおり、デトックス効果、美肌効果など様々な効果を持ちます。
ドクダミの歴史
ドクダミは江戸時代の書物である『大和本草』や『和漢三才図絵』に記載があるほど、古くから健康効果が知られていました。江戸時代の儒学者・本草学者である貝原益軒が著書『大和本草』の中で、ドクダミは「和流ノ馬医用之馬ニ飼フ、十種ノ薬ノ能アリトテ十薬ト号スト云(わが国の馬医がこれを馬に用いると、十種の効能があるので、十薬と呼ぶことにした)」と記されています。また古くからドクダミの強い殺菌・抗菌効果は知られており、よく洗った新鮮なドクダミの生葉をもみ、葉汁をおできや痔などの患部に直接塗るなどの民間療法としても利用されていました。日本では民間薬として、化膿性皮膚炎や水虫などの皮膚に関する病気に用いられており、研究が進むにつれ、ドクダミの様々な効果が解明されるようになりました。ドクダミは、厚生労働省の発行する「日本薬局方」に「十薬」という生薬名で記載されています。「日本薬局方」は、薬事法によって医薬品の適正を図るために、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見から定めた医薬品の規格基準書です。
ドクダミの収穫時期
ドクダミの収穫の最盛期は、開花時期である5月下旬~6月頃です。この時期が最盛期とされているのは、花をつけたドクダミが利尿作用や毛細血管の強化、炎症を抑える効果を持つクエルシトリンを最も多く含んでいるためです。ドクダミの開花時期は2ヶ月程で、秋以降は葉や茎もなくなるため、開花時期には1年分のドクダミが収穫されます。
ドクダミに含まれる成分と効果
ドクダミには、多くの種類のフラボノイドが含まれていますが、その中でも、クエルセチンには血管を拡張させたり、尿の排出を促進したり、炎症を抑える効果があり、ドクダミの効果を得るためには欠かせない成分です。ドクダミの葉は乾燥させると、揮発性成分のデカノイルアセトアルデヒドが分解されるため、殺菌効果が失われますが、乾燥ドクダミ(全草)にはフラボノイド成分であるクエルセチン、ルチンやクエルシトリンが含まれています。ドクダミに含まれるルチンには、血管の透過性を適度に保ち、血管を丈夫にする働きがあります。血管は、体内の細胞との間で栄養や酸素などのやりとりを行っていますが、その機能は血管が持つ透過性によって維持されています。透過性とは、物質を通り抜けさせることができる性質のことです。血管の透過性は、高すぎても低すぎても体に良い影響を与えません。酸素や栄養素など、細胞に与える物質の大きさに応じて適度な透過性を保つことが大切です。ルチンは、この血管が持つ透過性を調節する作用があります。また、ルチンは丈夫な血管に不可欠なコラーゲンの合成を助けるビタミンCの吸収を促進し、血管の老化を抑制します。このように、ドクダミに含まれる水溶性のビタミン様物質であるルチンには、毛細血管の透過性を改善し、さらにビタミンCの吸収を促進することで、血管を丈夫にする働きがあります。生のドクダミに含まれているデカノイルアセトアルデヒドという成分は、非常に強力な殺菌・抗菌作用を持っています。ドクダミには、食中毒や傷口の膿みの原因となる黄色ブドウ球菌や、水虫などの原因となる糸状菌の細菌を抑制する働きがあります。デカノイルアセトアルデヒドは蒸発しやすい性質を持つため、この効果は新鮮な生の葉のみに限られます。また、植物の色素成分であるフラボノイドも多く含み、抗酸化作用や便秘の改善、血管の強化、老廃物の排泄促進などの効果が期待されているため、血管を丈夫にする効果や炎症を抑える効果が期待できます。ドクダミには、高血圧の要因となるナトリウムを排出するカリウムが高濃度に含まれているため、血圧を下げる効果が期待できます。
ドクダミの摂取方法
ドクダミの一般的な摂取方法としてドクダミ茶が知られています、近年ではドクダミジュースやクッキーなど様々な商品が販売されています。また、ドクダミは外用で使用し美容にも働きかけるため、化粧水などにも利用されています。その他、外用薬として皮膚化膿症に用いられることもあります。
ドクダミを摂取する際の注意点
ドクダミにはカリウムが高濃度に含まれているため、腎機能の低下している方は、摂取の際に注意が必要です。また、ドクダミには排便を促す作用があることから、過剰に飲み続けることで下痢の症状が出る可能性があります。
ドクダミの効果
デトックス効果
ドクダミには、多くのカリウムが含まれており、尿の排出を促進する作用があります。また、ドクダミは便の排出を促す作用もあるため、古くから利用されてきました。このようにドクダミには、体内に蓄積された毒素を排出するデトックス効果があります。
高血圧を予防する効果
ドクダミには、高血圧の要因となるナトリウムを排出するカリウムが含まれており、余分な塩分を排出して、血圧を下げる働きがあります。これにより、高血圧を予防する効果が期待できます。
美肌効果
肌荒れは、細菌が皮膚の毛穴などに詰まった油分や汚れを栄養にし、繁殖した炎症のもととなる物質を分泌することで引き起こされます。また、便秘などにより肌荒れが引き起こされることも知られています。生のドクダミに含まれているデカノイルアセトアルデヒドは、殺菌・抗菌効果があるため、肌荒れの原因となる細菌の働きを抑制します。ドクダミに含まれるクエルシトリンやイソクエルシトリンには、利尿効果や毛細血管の強化作用があり、新陳代謝を促すため、体のすみずみまで栄養を届け、肌の生まれ変わりを促進します。さらにドクダミは、体内に生じた老廃物や毒素を排泄する効果があり、血液を浄化し、ニキビや吹き出物などの肌トラブルも生じにくい体質へと改善するといわれています。このように、ドクダミには体の外的・内的の両面で美肌に効果があります。
炎症を抑制する効果
ドクダミに含まれるクエルシトリンは、ストレスやバランスの悪い食習慣などで弱った胃腸に働きかけ、胃壁のただれや傷を治すといった炎症を抑制する効果があります。また、細菌感染などにより副鼻腔の粘膜が炎症を起こす副鼻腔炎や、アトピー性皮膚炎にも効果が期待されています。
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※参考文献一覧
東城百合子、野草と野菜、三笠書房、2019、p49
わかさの秘密
https://himitsu.wakasa.jp/contents/dokudami/