ヤロウ             (キク科)

ハーブ

ヤロウ             (キク科)   和名    セイヨウノコギリソウ


【効き目】
消炎、止血、創傷治癒、抗菌、収れん、鎮静、鎮痙、健胃、利胆、外傷、生理痛、胃炎、消化不良、食欲不振など

ヤロウの学名はギリシャ神話のアキレスが使った野草に由来します。近年、切り花として白と赤の花がよく出回るようになりました。傷を治した伝承のとおり、消炎止血、抗菌作用を持ちます。また、胃炎や風邪、食欲不振にも用いられます。エッセンシャルオイルは「アズレンブルー」といわれる青色です。美容目的で、軟膏や植物油に希釈して用いられます。ヤロウは、高さ60 cmほどになるキク科の多年生植物で、一般的にはハーブの一種として知られています。原産地はヨーロッパで、ヨーロッパからアメリカまで世界中ほとんどの地域でみられる品種です。ヤロウは比較的育てやすく、日当たりの良い場所で育ちます。春から夏にかけて、白く小さな花をたくさん咲かせ、この時期に収穫された地上部がハーブとして利用されます。ヤロウは、ギザギザしたノコギリのような葉をもつことから、「ミルフォイル(1000枚の葉)」とも呼ばれ、和名では「セイヨウノコギリソウ」と呼ばれています。ヤロウのハーブは、さわやかさと甘さを合わせ持つ香りが特徴です。ヨーロッパの国々では、若い葉がサラダなどに使われ、最近では、多くの花色の品種がみられ、ドライフラワーや切り花として親しまれています。ヨーロッパでは、ヤロウの葉は悪霊を追い払う力があるとして、魔除けやお守りとしても利用されています。ヤロウは、広い用途を持つことで有名で、消化不良やお腹の痛み、食欲不振、胃潰瘍など消化器の不調のときにはハーブティーとして使われています。

ヤロウの別名
フランス語でヤロウは、Herbe aux charpentiersといい、大工のハーブという意味を持ちます。これは、ヤロウが傷口を固める効果があることから、指を多く怪我する大工が使用するハーブという意味を含んでいると考えられています。またヤロウは「ノーズブリード」とも呼ばれますが、これは鼻血という意味があり、同様に止血薬として用いられていることから由来しています。

ヤロウの歴史
ヤロウの歴史は古く、古代ギリシャ時代にはすでに栽培されていたといわれています。ヤロウの学名、Achilleaはギリシャ神話に由来しています。ギリシャ神話によると、古代ギリシャの英雄、アキレスが賢明な人馬であるカイロンからヤロウの利点を教わり、トロイア戦争で兵士の手当てをしたという伝説から名づけられたとされています。ヤロウは古くは薬用にし、明治の中頃日本に渡来して花壇の草花として植えられていた植物ですが、繁殖力が強いことから現在、一部が野生化しています。スコットランドでは、伝統的な傷薬の軟膏がヤロウからつくられています。

ヤロウに含まれる成分と性質
ヤロウの主な成分は、精油の一種で芳香性を持つケトン類のカンファー、モノテルペン炭化水素類のα-ツヨネン、α-ピネン、セスキテルペン炭化水素類のカマズレン、酸化物類の1,8-シネオール、モノテルペンアルコール類のボルネオールがあります。モノテルペン炭化水素類やセスキテルペン炭化水素類には、炎症をしずめる作用があります。酸化物類やモノテルペンアルコール類には、ウイルスの繁殖を抑制する作用があります。また薬などとの相互作用や副作用は知られていませんが、ヤロウはキク科の植物であるため、キク科の植物に対してアレルギーがある人は注意して使用する必要があります。

ヤロウの効果

消化不良を改善する効果
ヤロウは、生薬としてヨーロッパの薬用植物療法で用いられており、消化不良や食欲減退、けいれん性胃腸障害などに効果があります。主に浸出液や煎じ液、生の絞り汁の形で利用されています。

女性特有の悩みを改善する効果
閉経をはさむ前後約10年間に起こる様々な体調の変化を更年期障害といいます。これには、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの減少が深く関わっています。更年期になるとエストロゲンの分泌が減少することで、自律神経の働きが乱れ、頭痛、腰痛、肩こり、ほてり、イライラ、うつ状態などの症状が起こります。ヤロウは女性ホルモンに作用して月経を正常にし、更年期障害をやわらげる効果があります。

血液を凝固させ止血する効果
ヤロウの葉には、止血作用があります。昔からヤロウは止血薬として使用されてきました。洗浄した軽い傷にはヤロウをもんで包帯を巻いて用いられています。ほかにも血液と関係する作用として、末梢血管を拡張し、血流をよくすることから血圧を下げる効果があるとされています。

抗菌・抗ウイルス効果
ヤロウの精油は、アズレンブルーと呼ばれる美しい青色をしています。この色は、抗ウイルス作用が強いカマズレンという成分を豊富に含んでいることによるものです。そのため免疫力を高め、風邪の予防にも効果があります。ヤロウは、発熱時や風邪のときによく使われ、エルダーフラワー、ペパーミントとブレンドして古くから使い続けられています。発熱時にヤロウのハーブティーを熱いうちに飲むことで、汗をかいて熱を下げ、汗と一緒に体の毒素も出すことができます。

炎症を抑制する効果
ヤロウは、炎症を抑制する効果があります。ヤロウの抗炎症作用は、肌荒れに効果的なので化粧品にもよく配合されています。お湯を張り、精油の蒸気を顔に当てるアロマテラピーのフェイシャルスチームとして、外から使えばニキビによく、治りにくい傷、炎症、かゆみ、潰瘍などの皮膚トラブルには入浴剤、湿布として利用されています。

むくみを予防・改善する効果
ヤロウは、むくみを予防・改善する効果があります。体の不要物が外に出やすくなるので、皮膚をきれいにしてくれます。皮膚をきれいにするために、外からも内側からも使えるすぐれたハーブです。ハーブティーとして中から取り入れると利尿作用と発汗作用があるため、膀胱炎にも効果があります。

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※参考文献一覧
すすきちえこ、はじめてのハーブ手帖、メディアパル、
2020、p118
わかさの秘密
https://himitsu.wakasa.jp/contents/yarrow/

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