セージ      (シソ科) 

アロマ

セージ      (シソ科)  和名   ヤクヨウサルビア


【効き目】
抗菌、抗真菌、抗ウイルス、収れん、発汗抑制、母乳分泌抑制、口腔咽頭の炎症、発汗異常など

セージの大きな特徴はローズマリーの次に高い抗酸化力を持つことで、若返りのハーブとして活躍します。また、抗菌作用や抗真菌作用も持つことから、風邪や口内炎に処方されることも。収れん作用があり、母乳の分泌を抑えたり月経過多や更年期のホットフラッシュといわれる発汗異常にも処方されたりします。ただし、アルコールに漬けたチンキ剤は長期服用は避けなければいけません。セージには様々な種類がありますが、一般的にセージというとコモン・セージを指します。セージとは、シソ科サルヴィア属の植物で丈が30~70㎝程になる多年草です。葉の色が白がかった独特な緑色をしており、この色はセージグリーンとも呼ばれています。毎年春から夏にかけて薄紫やピンク色の花を咲かせ、茎はシソ科の特徴である四角形をしています。セージは、ヨーロッパの南部や地中海沿岸の石灰質の日当たりのよい斜面に自生しており、高温多湿に弱く、寒さに強い性質を持つことから、乾燥していれば-15℃程度の環境下でも生育できるといわれています。セージは古くからハーブとして親しまれており、ハーブティーとして飲むことで、のどの痛みや口内炎の予防、月経痛の緩和、消化促進など様々な効果があるといわれています。
また、セージの葉から抽出した精油にはリラックス効果があるとして、アロマテラピーに利用されてきました。

セージの歴史
セージの歴史は古く、紀元前300年に著されたテオフラストスの「植物誌」で紹介されています。その後、紀元後77年にはプリニウスやディオスコリデスによって書かれた「プリニウス博物誌」の「植物薬剤編」にも記録があるといわれています。プリニウス博物誌では、セージには野生種と栽培種がある、ブドウ酒とともに飲むと遅れている月経を促進する、煎じ汁を飲むと月経過多を止める、セージの葉そのものを傷口に貼ると出血を抑える、蛇に噛まれたときには毒消しになることなどが記載されています。セージがヨーロッパ南部や地中海沿岸地方からイギリスに渡ったのは1世紀頃といわれており、ローマ軍がイギリスでの行軍中、道の両脇にセージの種を蒔いて進んだといわれています。10世紀には医学の中心地であったイタリアのサレルノでセージの薬効がたたえられ、疫病の薬として利用されていました。12世紀のドイツでもセージは万能薬と考えられていました。17世紀に入ると、イギリスのニコラス・カルペッパーが「造血の効果があって肝臓によい」「記憶力を強くするのに非常な能力があって、感覚を暖め敏感にする」と述べています。また、ヨーロッパに中国のお茶が伝わると、セージとお茶を混ぜた飲料が飲まれるようになり、イギリスでは多量のセージがオランダから輸入されるようになりました。また、歯磨き粉ができる以前は、歯を白くし歯茎を丈夫にするものとしてセージが利用されていました。日本にセージが渡来したのは、明治12年頃だといわれています。かつては薬用植物園で見られましたが、現在では、その香りの良さから葉を乾燥させてハーブティーとして飲用されるようになり、ハーブ・ガーデンやハーブ専門店で見られるようになりました。料理にも利用されるようになり、主にソースなどの付香料として利用されたり、肉の臭み消しとして重宝されています。
また、セージの苗や種子も販売されるようになり、今では全国に普及しています。

セージに含まれる成分と性質
セージの葉から採取される精油には、ツヨン、シネオール、ボルネオール、カンファーなどが含まれています。この精油はごく少量でも効果を発揮するといわれ、アロマテラピーとして利用されています。ツヨンはメントールの様な香気を持つ精油で、強い抗菌効果や防腐効果を持っています。シネオールは心地よい芳香と味を持つことから、食品添加物や香料、化粧品、口中清涼剤、咳止めなどに配合されています。副鼻腔炎の治療に効果があるほか、炎症や痛みを和らげる効果もあるといわれています。ボルネオールには、アロマテラピーでの効果として、抗うつ、穏やかな鎮痛、抗ウイルス、副腎皮質刺激、全身および心臓強壮作用などがあるとされます。カンファーとは、一般的に樟脳と呼ばれる物質でカンフルとも呼ばれています。カンファーには、血行促進作用や鎮痛作用、消炎作用などがあり、主に外用医薬品の成分として使用されています。医薬用以外でも、香料の成分として使用されたり、衣類や人形などの防虫剤、防腐剤として使われることもあります。

セージの効果

セージには、精油に含まれるツヨンをはじめ、タンニンなどの有効成分が含まれており、以下のような健康に対する効果が期待されています。

のどの痛みや口内炎を予防する効果
セージには優れた抗菌効果に加え収れん作用があるため、風邪や熱の症状、のどの痛みを抑える効果があるといわれています。また、扁桃腺(へんとうせん)炎や気管支炎といった呼吸器系感染症の初期に服用すると効果があるといわれています。
また、主成分のツヨンやタンニンには、歯肉炎や口内炎などの口腔内粘膜の炎症やのどの腫れなどを防ぐ効果が期待されています。セージの葉をハーブティーとして飲用する他、ハーブティーで1日に2~3回うがいをすることで、これらの症状が予防できるといわれています。

リフレッシュ効果​​
とても鋭くクリアな香りを持つセージの精油は非常に強い作用があり、ごく少量でもその効果を発揮します。セージの香りは、気分が落ち込んでいる時などに使われます。また、頭をすっきりとさせたい時にも役立つ香りとして、勉強部屋や仕事中の芳香浴にも利用されます。神経疲労にも効果を発揮し、ストレスに対処する能力を高める効果が期待されています。

女性特有の悩みに働きかける効果
セージには血行を促進する効果があるため、月経痛の緩和や過小月経、稀揮発月経、無月経などの月経不順に対して働きかけるといわれています。また、セージには女性ホルモンであるエストロゲンに似た作用もあるため、更年期特有の異常発汗やホットフラッシュと呼ばれるほてりやのぼせをはじめ、めまい、耳鳴り、肩こり、不眠、疲労感などの症状に対する効果があるといわれています。

消化を促進する効果
セージには、消化薬としても優れた効果があるといわれています。セージの精油には消化器系の平滑筋を弛緩させる効果があり、苦味とともに食欲を刺激し、消化を助けるといわれています。さらに消化を促進する消化酵素と胆汁の分泌を促進し、胃の働きをサポートします。また、セージのハーブティーを飲むと胃腸内のガスを排出する効果があるといわれています。消化不良や下痢、大腸炎や肝臓病に有効だとされ、さらに殺菌作用があるため胃腸炎などの感染症を改善する効果が期待されています。

美肌効果
セージには収れん作用があるため、肌を引き締め、炎症を抑える効果があるといわれます。皮膚の一番外側の表皮に含まれるケラチンを変成させ、緻密(ちみつ)なバリアを張ると同時に引き締めるため、毛穴の広がりを抑えたり、傷などの出血を止める働きがあります。そのため近年では、セージが化粧品にも利用されるようになりました。

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※参考文献一覧
すすきちえこ、はじめてのハーブ手帖、メディアパル、
2020、p69
わかさの秘密
https://himitsu.wakasa.jp/contents/sage/

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