パッションフラワー  (トケイソウ科)

ハーブ

パッションフラワー  (トケイソウ科)和名     チャボトケイソウ

【効き目】
鎮静、鎮痙、不安、不眠、過敏性腸症候群、高血圧など

パッションは「情熱」ではなく、花の中央部の印象的な形から「キリストの受難の花」という意味。アメリカやメキシコの先住民が用いていた歴史があり、「植物性の精神安定剤」とも呼ばれます。精神的な緊張をリラックスに導き、寝付きを良くしてくれます。作用が穏やかなのでお子さんやお年寄り、更年期の女性でも使えます。ハーブティーがおすすめです。パッションフラワーは、高さ10mにまで成長する硬い木質のつる植物で、長い巻きひげを巻きつく対象に巻きつけながら伸びていきます。中央に紫色の房毛をつけた白い大輪の花を咲かせ、とても美味しい実(パッションフル-ツ)を付けます。5本の雄しべは5つの傷を、房毛のついた花の中央は茨の冠を、5枚の花弁と5つのがくは10人の使徒を表しているといわれています。日本では、花の中央から伸びる雄しべの先が3つに分かれていて、時計の長針、短針、秒針のように見えることからトケイソウとも呼ばれています。パッションフラワーの葉にはアルカロイド類とフラボノイド類が含まれています。アルカロイド類は神経伝達物質の分解を阻止し、フラボノイド類は鎮静作用をもたらします。鎮静剤を常用すると、薬がないと眠れなくなってしまうことや、うつ病を誘発することがありますが、パッションフラワーは神経系をリラックスさせ、習慣性とならない鎮静作用があるのが特徴です。また、パッションフラワーの果実のパッションフルーツは生食用や清涼飲料等に使用されます。

パッションフラワーの歴史
1569年、スペイン人医師・モナルデスがペルーでパッションフラワーを発見し、インディヘナ(先住民)の人々によるパッションフラワーの利用法を記録してヨーロッパへ持ち帰りました。パッションフラワーの利用法をヨーロッパで紹介すると、鎮静効果の高いハーブティーとしてすぐに普及しました。また、メキシコのアステカインディアンからパッションフラワーの用途について学んだ、メキシコと中米を征服したスペイン人により、その後ヨーロッパでも広く栽培されるようになりました。1800年代中頃の南米のアメリカ先住民や奴隷の間では、パッションフラワーの根の部分を強壮、葉の部分を頭痛や打撲などの痛みを緩和するために使用しており、この鎮静剤としての利用法が北アメリカにも紹介されています。パッションフラワーの用途については、ヨーロッパ、アメリカ、カナダにおいて200年以上に渡り記録されています。ハーブ医療における長い歴史では、結腸、発疹、不眠症、モルヒネ中毒、神経痛、ノイローゼ、眼炎、痔核、発作などの研究が含まれています。鎮痛作用については1897年に初めて臨床的に記録され、1904年には鎮痛効果に関する初めての研究が発表され、1980年代初頭には痙攣抑制作用、不安緩和、高血圧における有効性が臨床的に確認されています。ストレスの多い現代社会においては、ストレスを緩和するハーブとして注目されています。

パッションフラワーの利用法
・ハーブティー
パッションフラワーには強い鎮静効果があり、神経の緊張や精神的な不安をやわらげてくれます。中でも神経性の不眠症に効果があるといわれ、寝つきの悪い方や途中で目が覚めてしまう方は、ハーブティーを飲むとリラックスした気分が得られ、自然と深い眠りにつくことができるようになります。また、過度の緊張や精神上の不安から起こる過敏性腸症候群や神経痛のほか、ストレス性の高血圧や頭痛、腹痛などにも効果を発揮します。パッションフラワーは、あらゆる神経系の疾患に使用でき、痙攣やひきつけなどをやわらげ、痛みを鎮めてくれる作用もあります。ハーブティーに用いるのは葉や茎の部分で、ハーブティーにすると草木の香りが広がり、深いくつろぎを与えてくれます。 味は癖がなくさらっとしているので、他のハーブとブレンドするのもおすすめです。

・サプリメント
パッションフラワーエキスのハ-ブサプリメントによる植物療法は、ハーブ先進国である、ドイツのコミッションE(ドイツの薬用植物の効能に関する公的評価委員会)からも、安全と効果を認められた安心・安心なハーブです。習慣性や嗜眠状態(しみんじょうたい)を誘発しない鎮静作用として、不眠や不安、動悸を防ぎ、血圧降下に使われるようになりました。また神経性の喘息発作、てんかん、過敏性腸症候群、月経前の緊張、神経痛や帯状疱疹の痛み、ヒステリー、神経の興奮やイライラ、不眠、更年期障害などを緩和します。さらにはカビや細菌を抑える効果もあり、湿布等でやけどや皮膚の炎症を鎮めます。

パッションフラワーを摂取する際の注意点
パッションフラワーは、とくに副作用や毒性は報告されていません。一般的に、ハーブには活性成分が数多く含まれていますので、小児、妊娠・授乳中の女性は摂取を避けるべきです。パッションフラワーには血圧を下げる作用があるため、低血圧の方は注意が必要とされています。また、他のハーブや治療薬、アルコールとの併用は避けるべきです。

パッションフラワーの効果

パッションフラワーは鎮痛、痙攣抑制の効果について科学的にもよく研究されています。しかしこれらの特性は、パッションフラワーに含まれる単独の化学物質によるものではなく、アルカロイドと共に存在しているグルコシドとフラボノイドという2つの主要化学成分グループが一緒に存在する状態でのみ確認されています。

不眠を解消する効果
​パッションフラワーは、植物性トランキライザーといわれるほど強い鎮静作用があり、ヨーロッパでは昔から不眠症などに用いられてきました。中でも特に神経性の不眠症に効果があるとされています。パッションフラワーの特徴は、交感神経中枢に直接働きかけ、神経に有益な効果を及ぼすことで神経系への血液循環と栄養補給を行います。穏やかに作用して安らかな眠りへと導いてすっきりと目覚めさせてくれるため、不眠症でなくても、極度の緊張によって、頭痛や筋肉のこわばりがあるような場合や、不安感が強く感じられるようなときに用いるとリラックスした気分になれます。日本やアメリカではサプリメント(食品)としての扱いですが、ハーブ先進国のドイツでは不眠症と神経性治療において医薬品として承認されているハーブです。

精神を安定させる効果
パッションフラワーには精神を安定させる作用があり、ヒステリー、高血圧、動悸、子どもの活動過多などにも力を発揮します。また、パッションフラワーが持つ抗痙攣作用は、ひきつけ、てんかんにも効果を発揮します。中枢神経に働きかけて様々な鎮静効果を示し、平滑筋のけいれんを抑える効果があるため、女性の子宮をリラックスさせる作用があるとされ、生理の時の不快感を取り除いてくれます。また、ストレス性の胃痙攣や便秘、過敏性腸症候群、更年期障害にも効果が期待されています。

アルコール依存症を改善する効果
パッションフラワーは、鎮静作用があるため、アルコール依存症の治療にも用いられてきました。また、パッションフラワーに含まれるハルマラ・アルカロイドという成分が、冠状動脈を拡張し、心臓の働きを健やかに維持してくれることもわかっています。ハルマラ・アルカロイドはモノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤として、抗うつ作用にも使用されることがあります。

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※参考文献一覧
すすきちえこ、はじめてのハーブ手帖、メディアパル、
2020、p72
わかさの秘密
https://himitsu.wakasa.jp/contents/passion-flower/

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