しめじ 【湿地茸】
【効き目】
貧血、肌荒れ、頭がふらつく、便秘、高脂血症など
血を補う作用があり、貧血のほか、顔色が悪い、肌にツヤがない、頭がふらつく、肌荒れなどの症状に有効。腸の働きを高め、便秘を解消し、コレステロール値を下げる働きもあります。食べすぎを防ぐ作用もありダイエットに向いた食材です。カルシウムの吸収を助けるビタミンD、便秘、肌荒れを改善する食物繊維が豊富。抗がん作用や、摂食抑制作用があるレクチンも含みます。キノコの一種であるしめじは、しめじ科シロタモギタケ属のぶなしめじ、しめじ科しめじ属の本しめじなどがあります。「しめじ」という名前は「本しめじ」「ぶなしめじ」「ひらたけ」の俗称です。天然の本しめじは手に入りにくい希少品で、昔から香りまつたけ味しめじとされているのは、この「本しめじ」のことです。数多くのキノコの中でも味が良いことに定評があります。やや乾燥したアカマツとブナの混生林や山に自生し、笠は灰色か茶褐色で、軸は7~10cm程度、根元はふくらんでいるという特徴があります。湿った土地に生えることから「湿地」、雑木林で木の根元に地面を占領するように生える姿から「占地」という名が付けられたといういわれがあります。味にくせがなく、炒める・焼く・煮るなど、どんな料理にも使うことができるキノコとして親しまれており、私たちの生活になじみ深い食材です。秋に収穫され、9月~11月が旬の時期で風味豊かな味わいを楽しむことができます。
しめじの歴史
古くから日本に自生していたしめじは、北半球温帯以北の森や林に分布します。
しめじの一種であるひらたけは「今昔物語」や「平家物語」に登場しており、昔から人々に親しまれていたことがわかります。しかし、一般的に流通していたわけではなく、本格的な流通は人工栽培が本格化した1970年頃から始まりました。
しめじの種類
・本しめじ
アカマツなどに生えるキノコで、長い間栽培化できず希少品とされていましたが、近年は人工栽培により「大黒本しめじ」などの名前で店頭販売されています。笠がふっくらとしていて、やや大きく全体の長さは5~13cmです。
・ぶなしめじ
一般的に「本しめじ」として出回っているものはこの菌床栽培されたぶなしめじです。本来はブナの木の倒木に生えるため、この名で呼ばれています。
1株ごとにパックされたものが主流で食感が良くうまみ成分が多いため炒め物や汁物、炊き込みご飯などに使われます。
・ホワイトぶなしめじ
ぶなしめじを品種改良し真っ白にしたもので苦味が少ない特徴があります。つるんとした食感が特徴です。
・ひらたけ
笠の表面が灰色をしており、若いものは「しめじ」の名前で売られることが多いです。味は淡白でありながら香りはおだやかであり、様々な料理に合う特徴があります。
おいしいしめじの選び方
しめじは、笠が開きすぎず、丸くて張りのある新鮮なものが新鮮なものです。笠が密着して、全体が一株のもの、軸は白く、太めのものを選ぶとよりおいしく食べることができます。
しめじの保存方法
しめじは傷みが早いため、当日に使いきることが理想です。保存する際は、水気をふきとってポリ袋に入れ冷蔵庫の野菜室に保存します。翌日には使いきりましょう。また長くもたせたいときは、電子レンジなどで加熱してからよく冷まし、保存袋に入れて冷凍するとよいでしょう。
しめじの食べ方
炒めもの、和えもの、揚げもの、鍋もの、煮物、焼きもの、炊き込みご飯、汁物などにしめじを入れるとおいしく食べることができます。しめじの風味を保つため極力水で洗うことは避け、汚れが気になる箇所を軽く洗う程度でよいでしょう。また根元部分はカットして手でほぐしてから調理することがおすすめです。
〜豆知識〜森の大切な住人 しめじをはじめとするキノコ
多くのキノコが生息する森林には、植物たちも日々生きています。そんな森林で木が倒れると、木は放っておいても少しずつ崩れて土に還っていきます。しめじをはじめとするキノコは、その朽ちていく木を住み家として育ち、豊かな森林づくりに貢献しているのです。
しめじの効果
免疫力を高める効果
しめじに含まれるβ-グルカンは免疫力を高め、ウイルスなどの有害物質を消滅させてウイルスや細菌に対する抵抗力を高めます。β-グルカンは人間の体内で免疫にかかわる因子を活性化し、免疫力を高めます。免疫力が低いと、体外から入ってくるウイルスに抵抗することができず、風邪やインフルエンザ、生活習慣病などを引き起こして病気を長引かせますが、しめじを食べることでβ-グルカンを摂ることができ、免疫に働きかけて風邪予防などに役立てることができます。
生活習慣病の予防・改善効果
しめじに含まれる特有のうま味成分であるグアニル酸は動脈硬化や高血圧を防ぐ働きがあるほか、体内の余分なものを排出します。またしめじに含まれるビタミンB2は脂肪の代謝を促す働きがあり、しかも低エネルギーなので肥満防止としても活躍します。脂質をエネルギーにかえて、代謝の様々な場面で働くほか皮膚や爪、髪の健康を保ち美肌ビタミンとして細胞の生まれ変わりをサポートします。
コレステロール値を下げる効果
さつまいもに匹敵するほど豊富な食物繊維が便秘や大腸がんの予防に役立ち、血中コレステロールの上昇を抑えたり、血行を良くして血圧を安定させます。コレステロールは肉を多く摂りすぎる現代人には摂りすぎの傾向があります。摂りすぎると血管をつまらせ、動脈硬化の原因となり悪玉コレステロールを増加させてしまいます。しかししめじに含まれるβ-グルカンは食物繊維の一種で、水分を吸収して余分なものをからめとり、しかも消化されることなく腸まで届いて、コレステロールを吸着してから体外へ排出する働きがあります。そのため、しめじを摂ることで体内のコレステロール値上昇を抑える効果が期待されるのです。
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※参考文献一覧
薬膳と漢方の食材小事典
2019、日本文芸社 p134
わかさの秘密
https://himitsu.wakasa.jp/contents/shimeji/