ミルクシスル      (キク科)

ハーブ

ミルクシスル      (キク科)  和名    マリアアザミ、オオアザミ



【効き目】
抗酸化、細胞膜安定化、タンパク合成促進、肝硬変、脂肪肝、薬物性肝炎など

フラボノイドの一種であるシリマリンが含まれ、古代ギリシャ時代から肝臓病の治療で使われていたとされます。肝臓を保護し、ダメージを受けた肝細胞のタンパク合成を促進することで修復を促します。タバコやお酒がすきな方への肝臓予防に用いられます。種をつぶしてハーブティーにしたり、炒って粉末状にしてクッキー作りにで使っても良いでしょう。シリマリンは「ミルクシスル(マリアアザミ)」の種子に多く含まれているフラボノイド混合物で、傷ついた肝細胞の修復を助けるとされています。ミルクシスルは地中海沿岸、ヨーロッパ全土、北アフリカ、アジアに分布しており、日本においても帰化植物として分布しています。キク科オオアザミ属の植物で二年草であり、薄い紅紫色の花を咲かせることが特徴です。高さが1m以上あり、トゲを持ち、白いまだら模様を持っている大きな葉がついています。ヨーロッパでは2000年以上前からハーブとして利用されてきました。道ばたに生えている植物ですが、観葉植物として育てている人もおり、そのまま食べることも可能です。損傷を受けた肝臓の細胞を修復し保護する働きから、ヨーロッパでは肝硬変など肝臓疾患の治療薬として使われており、日本でも二日酔い対策のサプリメント成分として知られ、化粧品成分として利用の際は抗シワ作用も確認されています。シリマリンは細かく分類するとシリビニン、イソシリビニン、シリクリスチン、などといった成分に分類され、これらはフラボノリグナン類と呼ばれます。

ミルクシスルとは
ミルクシスルという植物は、葉に白いまだら模様があるのが特徴で、ミルクがこぼれたようにみえるため「ミルクシスル」といいます。シスルはアザミの意味です。ミルクを聖母マリアに由来するものとして「マリアアザミ」の別名があります。

シリマリンの用途
シリマリンを含むミルクシスルの種子はヨーロッパにおいて古くから肝障害の治療に民間療法として利用されてきました。ローマでは肝臓薬として勧められています。近年では肝細胞保護作用や肝機能改善作用の効果が科学的に証明されており、欧米ではシリマリンの含まれるマリアアザミは、最も人気の高いメディカルハーブとして有名です。

シリマリンを摂取する際の注意点
シリマリン自体の安全性や副作用の記述はありませんが、シリマリンが含まれたミルクシスル(マリアアザミ)には安全性や過剰摂取による副作用についての指摘があります。妊娠中・授乳中の方や、キク科植物のアレルギーのある方は注意が必要です。

シリマリンの効果


肝機能を高める効果

シリマリンには肝炎、肝硬変などの肝障害予防と改善の効果があります。栄養を吸収して毒素を排出し、解毒作用のある肝機能を高め、胆汁の分泌を促すため、アルコール性肝障害、肝炎、肝硬変などの病気治療にも用いられます。またタバコやアルコールから胃や肝臓を守り、悪酔いを防ぐとともに、二日酔いの回復をサポートします。損傷を受けた肝臓の細胞を修復するため、肝機能障害など肝臓が陥ってしまう様々なトラブルに効果を発揮します。

細胞(肌や唇)を若々しく保つ効果
シリマリンには抗酸化作用があり、体の細胞を酸化させ老化を早めたり、変質させてガンを誘発する活性酸素の働きを抑えるなどして免疫力を高めます。

肌の調子を整える効果
シリマリンは、シリビニンまたはシリビン、シリジアニン、シリクリスチンと呼ばれるフラボノイド類から成ります。その中のシリビンは真皮のコラーゲンを増やし、繊維構造を正常化する作用を持つため、シワを改善します。また体内で成長ホルモンの分泌を促し、細胞の老化を防ぎます。

生活習慣病の予防・改善効果
シリマリンは体内で合成される抗酸化物質グルタチオンの生成を促すことや、ガンや老化、動脈硬化、糖尿病、脳卒中、心筋梗塞などの原因になる活性酸素を抑制する効果から、生活習慣病の予防、改善効果があります。欧米で人気の高いメディカルハーブとして支持される理由もこの強力な抗酸化作用が関係しています。

シリマリンは食品やサプリメントで摂取できます

シリマリンを多く含む食品
○ミルクシスル(マリアアザミ)

こんな方におすすめ
○肝臓の健康を保ちたい方
○いつまでも若々しくいたい方
○肌のハリや弾力を保ちたい方

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※参考文献一覧
すすきちえこ、はじめてのハーブ手帖、メディアパル、
2020、p117
わかさの秘密
https://himitsu.wakasa.jp/contents/silymarin/

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