ダンデライオン (キク科) 和名 セイヨウタンポポ
【効き目】
強肝、利胆、緩下、催乳、肝臓や胆のうの不調、便秘、消化不良、リウマチなど
「ダンデライオンルート」とも呼ばれ焙煎したものとしてないものが流通してます。妊婦さんが飲めるたんぽぽコーヒーは、焙煎したもので、ノンカフェインで安心して飲むことができます。母乳の出を良くしたり、妊娠中になりやすい便秘を解消したりします。消化不良やリウマチにも用いられます。苦味を持つものは肝臓や胆のうを強化します。西洋タンポポは、キク科に属するたんぽぽの一種で、別名ダンデライオンと呼ばれます。この呼び名は、フランス語のダンドゥリオンに由来し、葉の形がライオンの歯に似ていることからこの名前がついたといわれています。高さは20~40cmになり、葉や茎を切ると白い乳液が出てきます。春に鮮やかな黄色い花を咲かせた後、白い綿毛のついた種子をつけます。日本には約20種類のたんぽぽが自生しており、花が外側に反り返るものが西洋種です。西洋では、たんぽぽは第一級の薬草とされています。西洋タンポポは、ビタミンや鉄を多く含み、薬効が高いことが知られており、昔から広く利用されてきました。花にはカロテノイドの一種であるルテインが含まれ、紫外線や人工の青白い光から目を守る効果が期待できます。葉には、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンDが豊富に含まれています。また、カリウムを豊富に含んでいるため、高い利尿作用が期待できます。排尿によって失われがちなカリウムを摂ることができる点は、一般の利尿剤にはない長所といえます。春の若葉は、水にさらしてアクを抜き、サラダ、スパゲッティ、佃煮、漬物、油炒めなどにするとおいしく食べられます。根は、葉と同様に高い利尿作用が期待できます。また、消化不良や便秘を解消するのにも役立ちます。薬効が集中している根の部分は、ハーブティーやコーヒーとしてよく飲まれます。ヨーロッパでは、根を干したたんぽぽのハーブティーが尿路結石や母乳の分泌促進によいとされています。煎った乾燥根を挽いて入れるたんぽぽコーヒーは、ノンカフェインであるため、不眠症に効果があります。春を思わせる、軽い甘みのある味と香りが特徴です。ノンカフェインでヘルシーなたんぽぽコーヒーは、自然食レストランの定番メニューになっています。苦みが苦手な方は、はちみつや黒砂糖を入れて飲むのもおすすめです。
西洋タンポポの歴史
西洋タンポポは、繁殖力が高いため、世界各地で自生または栽培されており、歴史的にも各地の伝統医学で自然薬として活用されています。インドのアーユルヴェーダやアラビアのユニナ医学では、肝臓や胆のうの不調、リウマチなどの体質改善に用いられており、北米の先住民イロコイ族は腎臓病や水腫、皮膚病に用いてきました。日本でも、西洋タンポポの根は生薬として、食欲増進、胆汁分泌の促進、便秘の解消や、母乳分泌の促進などで用いられてきました。
西洋タンポポに含まれる成分と性質
カリウムが豊富な葉は、むくみや泌尿器の感染症に用いられます。また、西洋タンポポの尿酸排泄作用は、ほかのハーブと合わせて様々な症状に効果を発揮します。通風にはネトルとあわせて、また他のハーブとブレンドして、関節炎やリウマチ、高血圧に使われます。根は強壮剤として毒素排泄や体質改善に活躍します。特に、苦味質フィトステロールは強肝作用に優れ、肝臓や胆のうの疾患に効果が期待できます。また、豊富に含まれるオリゴ糖の一種イヌリンは、便秘や皮膚疾患、消化不良、さらには疲労回復などに利用されます。
癒しをもたらす西洋タンポポ
体内の浄化と解毒作用に優れた西洋タンポポは、体の毒素だけでなく、心に溜まっている毒素を浄化してくれる働きも期待できます。舌を刺激する葉を使用することで、鼻腔の奥まで一気にパワーが通るといわれています。根は大地のようにどっしりとした安定感を生み出してくれます。怒りや疲労を溜めこんでしまう人に安らぎをもたらします。
西洋タンポポの効果
むくみを予防・改善する効果
西洋タンポポは、利尿作用が高いカリウムを豊富に含んでいます。カリウムの働きによって、不要な水分や老廃物を尿として体外に排泄することで、むくみの改善が期待できます。また、カリウムは筋肉のエネルギー代謝や収縮を間接的に補助するため、むくみがちな足の筋肉を働きかけ、ポンプの働きをサポートし、より強力にむくみを改善してくれます。
食欲増進効果
葉と根に含まれる苦味質は、消化管全体および肝臓を活性化させ、消化液の分泌を増やします。食欲の増進や消化を助けます。
便秘を解消する効果
西洋タンポポには穏やかな解毒作用があるので、毒素、老廃物、汚染物質を肝臓や腎臓が排除するのを助けます。便秘を起こしやすい食べ物を食べることや冬の運動不足などで起こる廃物の解消に効果が期待できます。
母乳の分泌を促進する効果
乾燥させた西洋タンポポをハーブティーなどとして煎じて飲むことで期待できる効果のひとつに、母乳の分泌を良くする働きがあります。ノンカフェイン飲料であるため、授乳期の女性も安心して飲むことができます。
リラックス効果
ハーブティーやコーヒーとして利用される西洋タンポポの根には、穏やかな弛緩作用が期待できます。カフェインも入っていないため、リラックスを望む際の飲用で効果を発揮します。
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※参考文献一覧
すすきちえこ、はじめてのハーブ手帖、メディアパル、
2020、p70
わかさの秘密
https://himitsu.wakasa.jp/contents/dandelion/