ダイズ 【大豆】
【効き目】
脳の老化防止、血液の酸性化防止など
ダイズは、昔から「畑の肉」と呼ばれるほど栄養価の高いことで知られていますが、動物性タンパク質の欠点を補う有効成分が多く含まれています。動物性に少ないカルシウムをはじめ、ミネラル、ビタミンを豊富に含み、アルカリ性で血液の酸化を防ぎます。また、体内で生成することのできない9種類の必須アミノ酸がバランスよく備わっており、血液や細胞に対して、むしろ肉や赤身の魚より栄養源として優秀です。脳の老化防止と長寿の関係でもダイズをよく食べている人が長寿者に多く、頭脳も老化せず元気に働いておられるという研究データもあります。
大豆の歴史
大豆の原産地と考えられている中国では、約5000年前から大豆が栽培されていたといわれています。日本では、縄文時代の遺跡から炭化した大豆が出土しており、18世紀頃にはヨーロッパにも大豆が伝えられました。その後19世紀にはアメリカに大豆が伝わり、1940年代から大規模な栽培が行われるようになりました。現在、アメリカは世界最大の大豆栽培国とされており、大豆はアメリカの農業を支える重要な農作物となっています。近年では、ブラジルやアルゼンチンをはじめとする南米諸国でも大豆が盛んに栽培されています。
大豆に含まれる栄養成分
アミノ酸
大豆に含まれるたんぱく質の割合は、約30~40%と非常に高く、体内で合成することができない必須アミノ酸のバランスが良いことから、「畑の肉」とも呼ばれています。たんぱく質は筋肉や細胞など、体をつくるために必要となる栄養素です。大豆は肉類などの動物性たんぱく質と比較してカロリーが低いことや、ビタミンやミネラルなどの栄養素が豊富に含まれているため、良質なたんぱく源として知られています。
大豆サポニン
大豆に含まれる渋みや苦みの成分です。大豆を煮る時に出る泡に含まれており、サポニンという成分名には「泡のたつもの」という意味があります。サポニンは強い抗酸化力を持ち、体内で脂質の過酸化を抑える働きがあります。
レシチン
脂質の一種であり、ホスファチジルコリンとも呼ばれています。
レシチンは、細胞膜の主成分であり、脳や神経組織、肝臓などに多く存在しています。また、脳や神経、細胞内の情報伝達物として、それぞれの組織での機能調節を司っています。体内に存在するレシチンのうち、30%が脳に存在しているといわれています。脳細胞の活動を支える重要な成分であることから、レシチンは「脳の栄養素」とも呼ばれています。
イソフラボン
イソフラボンは、大豆をはじめとするマメ科の植物に多く含まれるポリフェノールの一種です。
女性ホルモンのひとつであるエストロゲン[※2]と似た働きを持つことから、「植物性のエストロゲン」とも呼ばれています。エストロゲンは美しい肌やふくよかな体つきをつくる上で欠かせない女性ホルモンであり、大豆に含まれるイソフラボンにはエストロゲンの分泌量を調整する働きがあります。
ダイズの効果
コレステロール値を下げる効果
ダイズに含まれるサポニンが持つ抗酸化作用によって、コレステロール値を下げることができます。コレステロールをはじめとする脂質は、細胞をつくる上で重要となる成分です。しかし、脂質は長時間空気や光にさらされることによって過酸化脂質へと変化し、血液中で増加すると血栓がつくられやすくなり、動脈硬化などを引き起こす原因となります。サポニンは、脂質の酸化を防ぐことによって過酸化脂質の発生を抑え、代謝を促進する働きがあります。高脂血症、動脈硬化症、高血圧症の患者にダイズサポニンを投与した結果、総コレステロールは71%、中性脂肪は88%に改善されたという報告があり、ダイス含まれるサポニンが血液中の脂質を減少させる作用を持つことが明らかとなっています。また、ダイズに含まれるレシチンにも、脂質の代謝を活発にさせる働きがあります。レシチンの働きによって、コレステロールや中性脂肪が減少するほか、エネルギーが効率良く代謝されることによって血糖値の低下や肥満防止などの効果も期待できます。
更年期障害の症状を改善する効果
ダイズに含まれるイソフラボンには、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌を促進することによって、更年期障害の症状を改善する効果があります。女性は、年齢とともに卵巣の機能が衰え、エストロゲンの分泌量が減少することによって、様々な不快症状が現れます。このような症状は、特に更年期の女性に多くみられます。顔のほてりやのぼせ、発汗、肩こり、頭痛などの身体的なものに加えて、イライラ、不安、憂鬱など、精神的な症状も見られます。また、年齢だけではなく、無理なダイエットやストレス、喫煙や睡眠不足などの生活習慣が原因でエストロゲンの分泌量が減少するといわれています。その結果、更年期障害に似た症状が現れるほか、月経周期が乱れることがあります。ダイズに含まれるイソフラボンには、エストロゲンの分泌を促し、更年期障害の症状を改善する効果があります。
集中力を高める効果
ダイズに含まれるレシチンの働きによって、脳の働きを活発化させ、集中力を高めることができます。脳を構成する神経細胞のグループをニューロンといいます。ニューロン同士を結合する部分はシナプスと呼ばれ、シナプスから分泌される神経伝達物質によって受け取った情報を全体に伝達するほか、情報を記憶として留め、留めたものを引き出します。レシチンは、この神経伝達物質を合成する成分であり、レシチンの働きによって記憶力や集中力が高まるほか、老人性痴呆症の改善にも有効だといわれています。
骨粗しょう症を予防する効果
骨粗しょう症とは、骨密度が低下し、骨がもろくなり、折れやすくなる病気です。
カルシウムは、骨や歯だけではなく血液や筋肉、脳にも含まれています。カルシウムが不足すると、骨からカルシウムを取り出し、血液中のカルシウムの量を一定に保つという仕組みがあります。ダイズには骨に必要なカルシウムのほか、骨からカルシウムが溶け出さないよう調節する働きを持つイソフラボンが含まれています。エストロゲンの分泌量が減少すると、骨にカルシウムを蓄えておく力が低下してしまうため、骨粗しょう症は更年期の女性に多くみられます。また、若い世代の女性であっても、不規則な生活習慣が原因でエストロゲンの分泌量が減少し、骨粗しょう症が引き起こされる可能性があります。
ダイズに含まれるカルシウムが骨を強く保ち、イソフラボンが骨にカルシウムを蓄えることによって、骨粗しょう症を予防する効果があります。
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※参考文献一覧
東城百合子、野草と野菜、三笠書房、2019、p110
わかさの秘密
https://himitsu.wakasa.jp/contents/soybean/