シナモン           (クスノキ科)

ハーブ

シナモン           (クスノキ科)  和名    桂皮、セイロンケイヒ、セイロンニッケイ

【効き目】
消化機能促進、抗菌、駆風、食欲不振など

シナモンは現代の生活におなじみのスパイスで、2種類が流通しています。セイロンシナモンは手で砕くことができ、お菓子作りなどに。シナモンカッシアは硬く、料理に向いてます。消化不良を助け、ガスが溜まっているときにも使えます。エッセンシャルオイルは抗真菌作用、抗ウイルス作用を持ちますが、刺激が強めのため、使いすぎないようにしましょう。シナモンはクスノキ科に属している常緑樹で、幹や枝の樹皮をナイフで細長い形状にはぎ取り、コルク層を除去して乾燥させたものがシナモンとして用いられています。シナモンには多くの種がありますが、一般的にシナモンというとセイロンシナモンを指します。シナモンは用途によって種類が変わり、カシアやニッキと呼ばれる種類も利用されます。シナモンは清涼感を伴うキリリとした芳香が特徴的で、甘みの中にわずかな辛みがある独特の風味を持ちます。香り高いシナモンはスパイスの王様として有名です。スパイスとして利用されるシナモンには樹皮をそのまま長く巻いたシナモンスティックと、粉末状に加工したシナモンパウダーがありますが、市販されているシナモンは複数の種からつくられているものが一般的です。日本では古くから縁日のお菓子などに利用されており「ニッキ」の名前で親しまれてきました。消化促進作用のほか、健胃、整腸、解毒、鎮痛などの作用を持つことから漢方にも利用されています。シナモンの原産地はインド、マレーシア、スリランカです。現在では主にスリランカ、インド、インドネシア、ビルマ、ベトナム、ボルネオ、ブラジル、ジャマイカなどの熱帯各地で幅広く栽培されています。

シナモンの歴史
シナモンは人間との関わりが深く、世界最古のスパイスのひとつといわれています。紀元前4000年頃からエジプトでミイラを保存するための防腐剤として使われていました。また、儀礼にもシナモンが頻繁に使用されていたといわれています。日本には8世紀前半に乾燥させたシナモンが伝えられました。シナモンは「桂心」という名で薬物として伝来し、現在でも正倉院の御物の中に保存されています。また、防腐剤としてだけではなく香料としても用いられ、大航海時代の冒険者たちが命をかけて求めたスパイスでもあったといわれています。江戸時代の亨保年間(1716~1735年)頃には樹木として日本に伝えられました。このとき伝えられたシナモンはシーボルディー種であったと考えられています。

愛情を示す最高の贈り物、シナモン
古代ギリシャではシナモンの甘美な香りから「愛をかきたてる」と、深い愛情を示す最高の贈り物として王侯貴族に重宝されていました。ローマの暴君ネロは最愛の妻の死後、妻の死出の旅への贈り物・愛の証として、ローマで使用される1年分のシナモンをかき集めて、全て焚いたといわれています。

シナモンの利用方法
シナモンは甘いものや甘い香りが特徴的な料理に用いることで、より一層甘みが強まるという相乗効果があります。したがって砂糖を多く使ったケーキやパイ類、ドーナッツなどに用いると良いといわれています。また、紅茶やコーヒーを混ぜる際にシナモンスティックを利用し、香りを楽しみながら風味をつける方法もあります。シナモンは砂糖と一緒に使用することでより甘みを感じるため、シナモンシュガーとして紅茶やコーヒーに利用されることもあります。フルーツの甘い香りとも相性が良く、リンゴやピーチ、洋ナシなどのコンポートにも合います。特にリンゴの風味に合うため、アメリカではリンゴジャムにも用いられています。メキシコではホットチョコレートにシナモンが欠かせません。中国ではシナモンがミックススパイスである五香粉のひとつとして用いられています。カシアはカレーやピラフ、炒めものなどの塩味系の料理に用いられています。

お屠蘇とシナモン
シナモンはお屠蘇(とそ)にも含まれています。お屠蘇に含まれているシナモンは、カシアと呼ばれる種類が使用されています。4世紀に書かれた中国の文献である「肘後法(ちょうごほう)」には、お屠蘇は三国時代の名医である華陀がつくったもので、元旦にこれを飲めば病気や全ての不正の気を避けることができると記載されています。お屠蘇が日本に伝わったのは奈良時代~平安時代にかけてといわれています。当時は宮中の儀式として飲まれていました。江戸時代になると広く庶民の間に浸透していきました。

八つ橋とシナモン
シナモンは京都を代表する和菓子である八つ橋の原料です。八つ橋に含まれているシナモンは一般的なセイロンシナモンではなく、ニッキと呼ばれる種類が使用されています。八つ橋は米粉、砂糖、ニッキを混ぜて蒸し、その生地を薄く伸ばして焼き上げた堅焼き煎餅の一種です。生地を焼き上げずに一定のサイズに切りだしたものは生八つ橋と呼ばれています。八つ橋は江戸時代中期にはすでにつくられており、古くから親しまれています。通常の食事でスパイスやお菓子として摂る分には問題ありませんが、シナモンには子宮刺激作用があるため、妊娠中の過度の摂取は避けた方が望ましいといわれています。

シナモンに含まれる成分とその性質
シナモンの主成分は桂皮アルデヒドで、シンナミックアルデヒドとも呼ばれています。40℃前後でもっとも香りを発散します。

シナモンオイル
シナモンはスパイスとしてのみならず、アロマオイルとしても有効な働きがあると考えられています。シナモンオイルはシナモンそのものに比べ、より濃厚で甘くスパイシーな香りを持ちます。シナモンオイルには気分を高揚させる作用があるといわれており、元気がない時や気分が沈んでいる時などに良いとされています。さらに、シナモンオイルには体調を整える効果や、体の痛みをとる効果があるともいわれています。気力を回復させて何か物事に取り組む前や、何か新しい物事を始める際などに良いと考えられています。また、アロマオイルとして室内を香らせることで、カビ臭を抑える抗菌作用を発揮するとされています。レモンやオレンジなどの柑橘系のエッセンシャルオイルと相性が良く、合わせて使うことで、より心地よい香りを楽しむことができます。このように、シナモンはスパイスとしてだけではなく、とても優れた効能を持つアロマオイルとしても使用されています。

シナモンの効果

胃や腸を健康にする効果
シナモンは腹痛や下痢、腹部膨満感などの解消に有効だといわれています。インドでは「tejpat」として腹痛や下痢の治療薬に使用されています。

血流を改善する効果
シナモンには血行を盛んにし諸臓器の機能を亢進する作用があるといわれています。血行とは血液の流れのことをいいます。血行が悪くなると、全身の細胞の新陳代謝が滞り、老化が促進されます。また疲れやすい、免疫力が低下するといった体の不調をもたらします。

むくみを予防する効果
漢方で使用されるシナモンには、水分代謝を調節する作用があるといわれています。水分代謝とは汗や尿とともに体の不要物を体外に排出することをいいます。水分代謝が悪くなると体内に余分な水が溜まり、むくみの原因となります。シナモンには発汗を促してむくみを予防する働きがあります。

消化を促進する効果
シナモンの甘い爽やかな香りは「桂皮アルデヒド」と呼ばれる成分で、消化促進作用を持っています。桂皮アルデヒドは嗅覚を刺激し、胃の働きを高めることで胃液の分泌を促し消化を促進します。

糖尿病の予防・改善効果
Ⅱ型糖尿病の患者を対象にした複数のランダム化比較試験によって、シナモン投与による血糖コントロール改善作用、糖代謝改善作用が報告されています。
そのため、シナモンは糖尿病対策の機能性成分として注目されています。

⭐︎個人的に気になる商品♩

ダイエットサポート発想の美容茶ハーブティー STYLE TEA(スタイルティー)

ダイエットサポート発想の美容茶ハーブティー STYLE TEA(スタイルティー)30ティーバッグ入り
ダイエットサポート発想の美容茶ハーブティーSTYLE TEA(スタイルティー)30ティーバッグ入り  【特徴】 ボディケア発想で開発したこだわりの美容茶 ・ボディケアで人気の厳選ハーブ(ルイボス、ハニーブッシュ、ローズヒップ、ジンジャー、サ...

PHATOIL エッセンシャルオイル シナモン


良かったら覗いてみてくださいねー♩


※商品サイト

香詩乃

香詩乃
香詩乃


Amazon

https://amzn.to/3rFLa8j

※参考文献一覧
すすきちえこ、はじめてのハーブ手帖、メディアパル、
2020、p93
わかさの秘密
https://himitsu.wakasa.jp/contents/cinnamon/

タイトルとURLをコピーしました