マロウブルー        (アオイ科)

ハーブ

マロウブルー        (アオイ科)  和名        ウスベニアオイ


【効き目】
皮膚や粘膜の保護、刺激緩和、軟化、口腔、胃腸、泌尿器の炎症など

マロウブルーとは、ヨーロッパやアジアが原産の多年草。別名「ウスベニアオイ」とも呼ばれるアオイ科の植物で、成分中には粘液質が多く含まれています。粘液質の他には「アントシアニン」「タンニン」などの成分が豊富で、様々な美容健康効果が期待されています。マロウブルーのハーブティーは、レモンやクエン酸を入れると色が青紫からピンクに変化します。花を乾燥させて使います。粘液質を豊富に含み、ハーブティーにもかすかにとろみがつきます。喉や口腔胃腸の炎症を落ち着かせる効果が期待できます。美容や皮膚のトラブルにも湿布やパックで用いることができます。味が比較的薄いのでブレンドに向いています。

マロウブルーの産地
マロウブルーと比較されることが多い「バタフライピー」は、タイやインドなど東南アジアで広く生息していますが、マロウブルーは世界各国に分布しています。そのため、マロウブルーの主要産地として名前が目立つ国はありません。一方で、ネットショップなどで販売されているマロウブルーの産地を調べてみると「ポーランド」「アルバニア」「コソボ」などの産地名が多いこともわかりました。バタフライピーについて詳しく知りたい人は、以下の記事も参考にしてください。

マロウブルーの歴史
マロウブルーは長い歴史を持つハーブとして知られていて、古代ギリシャやローマ時代から「薬草」として使用されてきました。マロウブルーの「マロウ」はギリシャ語で「柔らかい」という意味を持ち、マロウブルーのとろみ成分を表していると考えられています。今では葉や茎を乾燥させてハーブティーとして楽しむ方法が一般的ですが、昔は葉や茎を野菜として食べたり、根を乾燥させて飲料用に利用されたりしていたそうです。また、マロウブルーには鎮痛作用や抗アレルギー作用があるといわれているため、喉の痛みや消炎緩和などにも利用されていました。マロウブルー特有のとろっとした感触は、炎症を起こした喉にも優しく、風邪のひき始めなどにも重宝されています。

マロウブルーの色が変化する秘密
マロウブルーをお湯で淹れると、初めは青紫色の水色に仕上がります。しかし、その後にレモンなどの酸を加えると一瞬で「青紫色→ピンク色」に変化するのが特徴的!その神秘的な変色が、夜明けの空に見られる幻想的な様子にそっくりということから「夜明けのハーブティー」と表現されることもあります。そしてこの変化の秘密は、マロウブルーに含まれている豊富な「アントシアニン」が大きく関係しています。

酸でpHが変化する
マロウブルーの水色が変化するのは、レモンなどの酸を加えることによってアントシアニンの構造が変化するからです。酸性の影響によってアントシアニンの構造が変化することで吸収される光の波長や量に変化が表れ、青紫色だった水色が一瞬にしてピンク色へチェンジ!酸を加えることで見事な変色を見せてくれるマロウブルーですが、その神秘的な色は時間の経過とともに退色していくことが確認されています。まるで本当の夜明けの空のように、その存在をとどめないマロウブルー。色が長時間続かないからこそ、より貴重で神秘的な雰囲気を演出しているのかもしれませんね。

マロウブルーの効果効能と副作用

消化器官系の不調緩和
マロウブルーの最大の特徴といえば、粘液質を多く含むことによって「消化器官の粘膜を保護してくれる」という働き。粘液質の働きは様々ですが、米マサチューセッツ工科大学では「粘液に含まれる成分が病原体の行動を制御し、無害化させる役割を担っている」ことを発表しています。特に粘液が不足してしまうと細菌やウィルスの侵入や増殖を抑える力が低くなりやすく、風邪を引いたり抵抗力がダウンしてしまったりすることも!その他には、マロウブルーの粘液成分によって「喫煙による粘膜の炎症緩和」「胃炎や腸炎の症状緩和」にも効果が期待されています。

抗炎症作用
マロウブルーには粘液質が豊富に含まれているとお伝えしましたが、粘液質には「口から腸にかけての粘膜を保護する」という働きがあります。粘膜がしっかりと保護されると発症していた炎症症状の緩和にもつながるため、すでになにかしらの症状が現れている人にもおすすめです。また、マロウブルーの抗炎症作用は「風邪による喉の痛みや腫れ」「膀胱炎」「尿道炎」などにも効果が期待できるだけではなく、マロウブルーを染み込ませたローションパックなどを利用することで「傷の炎症を鎮める」「皮膚炎や湿疹の緩和に」と外用にも利用することができます!

美肌効果
粘液質が豊富なマロウブルーを外用として用いることで、お肌の炎症を沈静化させたり肌を柔らかく保って保湿効果を高めたりする効果が期待できます。マロウブルーのエキスが配合された液体で化粧水を作ったり、ローションパックとして使用したりする方法もおすすめですよ!また、マロウブルーには抗酸化作用によってお肌を若々しく保つことができる「アントシアニン」も豊富に含まれているため、美肌目的としてもぴったりのハーブティーでしょう。

マロウブルーの副作用は?妊娠中は飲める?
マロウブルーはノンカフェインで刺激も強くなく、通常の使用では特に目立った副作用等は確認されていないハーブティーです。妊娠中や授乳中でも問題なく飲めるハーブティーといわれていますが、人体における安全性のエビデンスは確立されていません。「つわりが酷い」「食べ物の嗜好が変わった」「肌荒れがすごい」など、特に妊娠初期は体に変化を感じやすい時期です。マロウブルーは比較的刺激の少ないハーブティーですが、念のためにかかりつけ医に相談してみるといいかもしれません。また、マロウブルーには豊富な粘液質が含まれているため、薬の吸収に影響を与えてしまう可能性もあります!薬を内服する場合は、最低でもマロウブルーを飲む1時間前には服用するように心がけましょう。

マロウブルーの美味しい飲み方
マロウブルーは鮮やかな水色とは裏腹に、ほんのりフローラルな香りと味がする控えめな飲み口です。人によっては「無味無臭」と感じることもあるほどクセのない味で、シングルハーブティーとして飲むよりは、インパクトの強いハーブティーとブレンドして楽しむ方がいいでしょう。マロウブルーの青紫色を堪能したいときには水出しかお湯を使用し、ピンクに変色させたいときはカットレモンやレモン果汁を垂らしてみてください。一瞬で移り変わる水色はとても神秘的で、何度でも楽しみたくなってしまうような変化です。夏場は水出しにすると爽やかな見た目で涼しさもUPしますが、時間が経過してしまうと青色が退色して茶色っぽくなってしまいます。マロウブルーの色を楽しむためには、淹れてからすぐに飲むように心がけてくださいね!また、マロウブルーはクセが少ないことから他のハーブとのブレンドもしやすく、様々なシーンで活躍してくれるでしょう。

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※参考文献一覧
すすきちえこ、はじめてのハーブ手帖、メディアパル、
2020、p76
Linktea.jp

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