ユリ根 【百合根】
【効き目】
滋養強壮、利尿、鎮痛、精神安定など
冬になると茶碗蒸しや、かぶら蒸しなどの温かさ恋しくなります。この蒸し物に欠かせない具にユリ根があります。良質のデンプン、タンパク質、ビタミン、ミネラルを含む滋養強壮食品です。また、古くから漢方薬の「百合(ひゃくごう)」としても使われています。これを配合した百合知母湯、百合地黄湯など多く利用されています。滋養強壮として結核、その他慢性病、消炎、鎮咳、利尿、鎮痛剤として昔から使われてきました。食欲がなく力が抜けてしまった、寒い暑いの感覚もはっきりせず頭がふらつくといった神経症の症状には卓効があるとされています。
ゆり根の栄養素について
ゆり根の栄養価は100gあたり125kcal、タンパク質3.8g、脂質0.1g、炭水化物28.3g、食物繊維は5.4gです。この他にもゆり根に含まれる栄養素は多くあり、それぞれのさまざまな働きを詳しくお伝えします。
カリウム
ゆり根100g中にカリウムは740mgと、野菜の中でトップクラスの含有量です。カリウムには体内の余分な水分を排出し、血圧を下げる働きをします。塩分や水分の摂りすぎでむくみが気になる人には、意識して多く摂取したいですね。カリウムは調理で煮汁に溶け出しやすいため、汁ごと食べられる料理がおすすめです。塩分が高くなりやすい煮物などは、カリウムの多いゆり根をたっぷり入れてバランスを取りましょう。
食物繊維
ゆり根はグルコマンナンと呼ばれる水溶性食物繊維が豊富です。グルコマンナンは腸内では消化されず水分を吸収して膨張するため、便のかさを増やし、腸内の善玉菌のエサとなって腸内環境を整え、便秘の改善に役立ちます。また血糖値の上昇を抑制する効果や、血中コレステロール値を下げる効果も期待されています。
鉄
鉄は赤血球を作るのに必要なミネラルです。不足すると貧血を起こして、めまいや立ちくらみなど疲れやすくなります。鉄には2種類あり、赤身の肉、貝類、小魚などに多く含まれる「ヘム鉄」と、植物性食品や乳製品、卵に多く含まれる「非ヘム鉄」に分けられます。その違いは吸収力で、ヘム鉄に比べて非ヘム鉄は吸収力が低いですが、ビタミンCと一緒に摂取すると高くなります。ゆり根自体にも鉄とビタミンCを含み、かつ加熱によるビタミンCの損失が少ない特徴を持つため、非ヘム鉄の吸収が促進されて効率が良いのです。
その他のミネラル
ゆり根はカリウム、鉄以外にも100g中にカルシウムを10mg、亜鉛を0.7mg、銅を0.16mgと多くのミネラルを含みます。カルシウムやリンは骨や歯の材料となり強く丈夫な体を、亜鉛は味覚や細胞を作るために必要なミネラルです。銅は鉄の働きをサポートして血液を作ったり、血管や骨をしなやかにするために必要なミネラルです
ゆり根に毒があるって本当?
ゆり根に毒があると聞いたことがあり、心配されている方もいるのではないでしょうか。結論から言いますと、ゆり根には人間にとって毒と言われる成分は含まれていません。 ユリ科の植物の球根の中には、スズランやヒガンバナなどアルカロイド系の毒を含むものもありますが、全てのユリ科植物に毒があるわけではありません。実は玉ねぎやアスパラガスもユリ科の食物ですが、毒はありませんよね。ゆり根も食用として栽培されているものなので心配はありません。観賞用や園芸用のユリの球根を食べたり、自生しているものを食べない限り問題はないと言えるでしょう。
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※参考文献一覧
東城百合子、野草と野菜、三笠書房、2019、p67
NORTH DISH
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