12月30日の漢方養生♪
おだやかな気持ちで食べることも「食養生」
食養生では「どのように食べるか？」も大事です。食べたものが、正しく消化吸収されてはじめて命を養います。せっかく口に入れても、消化吸収されずに排出されては台無しです。さらにもっと悪いのが、体内に滞ること。漢方では、消化吸収されずに滞ったものを「痰湿（たんしつ）」とよび、それが様々な不調を引き起こすと考えます。江戸時代の本草学者・貝原益軒は著書『養生訓』で、食事の前後に怒ってはいけないし、心配事をもって食事をしたり、食後に心配してもいけないと書いています。心の状態は食事の質を左右するのです。現代では、テレビやスマホを見ながら食事をする人が多いでしょう。味もろくにわからず、何を食べたか思い出せないことも。漢方の特徴のひとつは、見えない関係性を見る点といえますが、自然や作ってくれた人に感謝しつつ、味わいを楽しみながら食事に向かってこそ、食べたものが気・血となるのではないでしょうか。形にないものを実践するのは難しいのですが、心おだやかに、食べることに意識を向けた、丁寧な食事を心がけることが真の食養生といえます。
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香詩乃
香詩乃
kashinolab.jp
※参考文献一覧
薬日本堂のおうち漢方365日
2021年、家の光協会
