なす  【茄子】

野菜・その他

なす      【茄子】


【効き目】
食欲不振、胃もたれ、夏バテ、痔、歯肉炎、浮腫み、月経痛など

夏が旬のなすには暑さでほてった体を冷やす作用があります。熱を取り去るので発熱だけでなくさまざまな炎症や腫れ物を鎮めてくれます。血の滞りを解消する働きがあるので月経痛にも良いでしょう。また、胃の働きを活発にし、食欲不振や胃もたれにも効果があります。抗酸化作用があるナスニンが、免疫力をアップさせます。ナスニンは、なすの皮に含まれますが水溶性なので煮ると流出してしまいます。なすとは、ナス科ナス属の植物で原産地はインドです。熱帯では多年生植物ですが、日本では一年生植物として知られています。世界中で栽培されており大きさや色、形、へたの色まで多種多様です。特にアジアで多く栽培されており、日本では各地で小なすや賀茂なすなど多くの地方品種が栽培されています。育て方や品種改良によって形状も異なり、小丸なす、卵形なす、水なす、長なす、白なす、青なすなどが有名です。

なすの歴史
原産地であるインドでは有史以前から栽培されていたといわれています。中国には紀元前5世紀頃に伝わり、ヨーロッパには13世紀に中東や地中海沿岸を経て伝わったといわれています。日本には奈良時代に中国を通じて伝えられました。
東大寺正倉院の古文書には「天平勝宝2年(750年)6月21日藍園茄子を進上したり」と記録されており、平安時代の法典「延喜式(えんぎしき)」には、栽培法だけでなく漬物のつくり方なども記されています。江戸時代に入ると、初なすを少しでも早くつくろうと静岡県の三保で促成栽培がされるようになりました。当時、初なりのなすはとても高価なものでした。この頃に多くの品種が生まれ、なすは重要な野菜のひとつとなりました。「なす」の呼び名は宮中の女房言葉からきたものといわれ、平安時代の和名類聚抄には「奈須比」との記載があります。その他にもその味から「中酸実」を略したもの、「夏実」からきたもの、「茄」は植物をさし、「茄子」は果実を指すという説など名前の由来には様々な説があります。

〜豆知識〜  富士二鷹三なすび
初夢に見ると縁起が良いとされるものを示したことわざですが、これは一に富士山、二に愛鷹山(あしたかやま)、三に初なすの値段と、駿河国(静岡県)で高い物を並べたものとの説があります。

なすの生産地
なすは6月~9月が旬の夏野菜です。全国各地で栽培されており高知県、熊本県、群馬県、福岡県が主な生産地です。生産時期は年間を通しており、12月~6月に収穫される冬春なすは高知県や熊本県が、7月~11月に収穫される夏秋なすは茨城県や群馬県で多く生産されています。世界では中国、インド、エジプトなどで多く生産されています。

なすに含まれる成分と性質
なすに含まれる成分の90%以上が水分ですが、ビタミンKやカリウム、葉酸も含んでいます。食物繊維はセロリよりも豊富に含んでおり生体調整機能に優れているといわれています。「なす紺」といわれるほど鮮やかな青紫色は、アントシアニンの一種であるナスニンという成分です。またアクにはクロロゲン酸が含まれます。このナスニンやクロロゲン酸といったポリフェノールの持つ抗酸化力が体の老化や生活習慣病、ガンの予防に効果があるとして注目されています。他にも炎症を抑えるプロテアーゼインヒビターや夏バテ防止に威力を発揮するコリンなどの成分を含んでいます。

なすの調理法
なすは油と相性がよく油を含みやすい性質のため、炒めものや揚げ物にして食べるのがおすすめです。抗酸化作用のあるビタミンEが豊富な植物油と組み合わせて摂ると最適です。また切ってすぐに水にさらすとアクが抜けポリフェノールの酸化による変色を防ぐことができます。漬物にするときは鉄くぎや焼きみょうばんを入れるとナスニンが安定するため、色も鮮やかに仕上がりナスニンの摂取量も多くなります。

なすの効果

なすは血液の循環をよくする、尿の出をよくする、のぼせや高血圧の予防、体を冷やす、炎症を抑えるなど様々な薬効が期待できるとして日本や中国では古くから民間療法に使われてきました。

夏バテを予防する効果
なすには体を冷やす作用があり、体の内側から余分な熱をとりのぼせやほてりを鎮めます。またなすに含まれるコリンという成分には、胃液の分泌を促す働きがあり肝臓機能を高める効果があるため食欲不振に有効です。このことから、夏に起こりがちな不調にぴったりの夏野菜といえます。

〜豆知識〜 秋なすは嫁に食わすな
このことわざは、なすを食べると胃腸や子宮が冷えるため、流産などを避けるようにとの意味があります。夏に旬を迎える野菜は鎮静・炎症効果があり、体温を下げると考えられていたためです。

生活習慣病の予防・改善効果
コリンは体内でアミノ酸から合成される物質で、神経伝達物質であるアセチルコリンやリン脂質であるレシチンなどの成分となります。アセチルコリンには血管を拡張して血圧を下げる働きがあります。レシチンは細胞膜を作る成分で、肝臓への脂肪の蓄積や血管壁へのコレステロールの沈着を防ぐことから、高血圧や動脈硬化脂肪肝などの生活習慣病の予防に効果があります。血圧の上昇を抑えるカリウムも比較的多く含まれます。また、なすに含まれるナスニンは、コレステロール値を下げる働きが報告されているため、様々な成分の相乗効果が期待できます。

ガンを予防および抑制する効果
なすはナスニンやクロロゲン酸というポリフェノールを含んでいます。ポリフェノールには活性酸素や過酸化脂質の生成を抑制する働きがあり、老化やガンの抑制が期待できます。ナスニンにはコレステロール値を下げる働きがあり、様々な野菜の抽出物で発ガン物質の抑制効果を調べたところ、なすの抑制効果がトップクラスであったとの報告があります。アクに含まれるクロロゲン酸が分解されてできるカフェ酸は肝臓ガンや肝硬変の予防に効果を発揮します。

炎症や痛みを抑制する効果
なすにはプロテアーゼインヒビターと呼ばれる物質が含まれます。炎症や痛みをやわらげる作用があり、胃炎や口内炎、関節痛、神経痛、のどの痛みにも有効です。
民間療法では、なすをアルミホイルで包んで黒くなるまで蒸し焼きにしてつくった黒焼きをはちみつで練ったものを塗ると口内炎や歯痛が緩和されるといわれています。

⭐︎個人的に気になる商品♩

大阪泉州特産 水茄子 水なす 大玉15個

本焼なすカット 1kg

良かったら覗いてみてくださいねー♩

※商品サイト

Amazon

https://amzn.to/3rFLa8j

※参考文献一覧
薬膳と漢方の食材小事典
2019、日本文芸社 p100
わかさの秘密
https://himitsu.wakasa.jp/contents/eggplant/

タイトルとURLをコピーしました